2017 Fiscal Year Annual Research Report
揺れの数値予報:広帯域時刻歴波形のリアルタイム予測
Project/Area Number |
17H02064
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Research Institution | Japan, Meteorological Research Institute |
Principal Investigator |
干場 充之 気象庁気象研究所, 地震津波研究部, 室長 (60510196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑山 健 総務省消防庁消防大学校(消防研究センター), その他部局等, その他 (00358798)
盛川 仁 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (60273463)
小木曽 仁 気象庁気象研究所, 地震津波研究部, 研究官 (40739140)
小寺 祐貴 気象庁気象研究所, 地震津波研究部, 研究官 (80780741)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 揺れのリアルタイム予測 / 地震動即時予測 / 緊急地震速報 / 広帯域時刻歴波形 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究項目1:揺れから揺れの予測法への広帯域地震波動伝播法則の導入 データ同化手法で得られる揺れの実況値から、伝達関数を掛ければ未来の揺れの予測が可能となる。この手法の広帯域への拡張を意識し、周波数ごとの詳細な散乱/減衰構造の推定を試みている。 研究項目2:地盤増幅特性フィルターへの時間遅れの導入 周波数ごとの時間遅れの推定: 大きな盆地構造があると、盆地生成表面波等が発生し、やや遅れてから振幅が大きくなる場合が多い。関東平野で1200mのボアホールを有する観測点を例に、周波数ごとの時間遅れを推定した。有限個のハイパス、ローパスフィルターの組み合わせを用いて広帯域での増幅特性を再現することに加えて、(振幅特性は変えないものの)継続時間を延ばす効果のあるフィルターを加えることを試みている。ボアホール内の地震波形から地表の地震波形を予測することへの目途が立った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、地震動即時予測において、リアルタイムで広帯域の地震動波形(時刻歴波形)の予測を目指すものである。本研究課題では,2つの項目「揺れから揺れの予測法への広帯域地震波動伝播法則の導入」と「地盤増幅特性フィルターへの時間遅れの導入」のそれぞれについて,「研究実績の概要」で述べた通り,ほぼ計画通り進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究項目1:揺れから揺れの予測法への広帯域地震波動伝播法則の導入 ① 広帯域で適用可能なデータ同化手法の検討: 震度の予測を目的とした「揺れからの揺れの予測」では、データ同化手法が有効に機能した。このデータ同化手法を、広帯域地震動波形にも適用可能なようにさらに適合化を目指す。 ② 広帯域地震動の伝達関数の検討: ①で得られる実況値から、伝達関数を掛ければ予測が可能となる。伝達関数の精緻化を目指して、散乱/減衰構造を実際の地震波形データに応用し改良を行う。 研究項目2:地盤増幅特性フィルターへの時間遅れの導入 ③ 周波数ごとの時間遅れの推定: 代表的な盆地構造の観測点を例に、周波数ごとの時間遅れを推定することを続けるとともに、他の観測点でも解析を行う。 ④ 時間遅れをフィルターに導入する手法の検討: 有限個のハイパス、ローパスフィルターの組み合わせを用いて、広帯域での時間遅れを含んだ形での増幅特性をフィルターで再現することを行う。
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Research Products
(7 results)