2017 Fiscal Year Annual Research Report
災害発生直後の衛星SAR画像に基づくマルチハザード被害把握の新展開
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17H02066
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山崎 文雄 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (50220322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
劉 ウェン 千葉大学, 大学院工学研究院, 助教 (60733128)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | リモートセンシング / 合成開口レーダー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,合成開口レーダ(SAR)衛星による災害直後の画像から,被害把握を可能にする画像解析技術を確立することを目的としている.とくに,日本や各国の最新の高分解能SAR衛星センサの性能を活かし,災害前画像の有無に縛られない革新的な被害把握技術の開発を目指している.最近発生した我が国や世界各地における自然災害を例題として,災害発生直後のSAR強度画像と,災害前の光学センサ画像,数値標高モデル(DEM),GISデータ等を併用して,被災状況を把握する画像解析手法を開発し,災害後の光学画像,航空レーザ計測データ,現地調査結果等を用いてその精度を検証する. 今年度は,東日本大震災の津波による橋梁被害が大きかった太平洋沿岸部の1時期および2時期の衛星SAR画像を用いて,橋梁被災状況の把握を試みた.その結果を航空写真や被害報告書などと比較して,1時期SAR画像による被害抽出の適用条件や精度を検討した.その結果,画像解像度,マイクロ波の橋軸方向への照射角度,被害個所の大きさなどに依存するので一概には言えないものの,落橋などの甚大な被害が起きた場合は,GISで橋梁の輪郭等を指定できれば,1時期の高分解能衛星SAR画像から被災の有無を把握できることが判明した. さらに,事前画像が得られにくいが解像度が極めて高い,航空機搭載の全偏波SAR画像を用いた建物や橋梁の災害把握に関する研究に着手した.まず,常時における建物や橋梁のSAR画像の後方散乱係数の特性の評価を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東日本大震災を撮影した地震前後の高分解能衛星SAR画像,および被災状況の検証データを入手することができたので,これらを使用した1時期衛星SAR画像による橋梁被害の抽出に関する研究を進めることができた.また,航空機SARの研究開発を行っている研究機関と共同研究を行うことができ,熊本地震など,全偏波航空機SARによる被災地を撮影したSAR画像を使用することが可能となった.
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Strategy for Future Research Activity |
高分解能の航空機搭載全偏波SAR画像を用いて,建物や橋梁の被害把握に関する研究を進める.まず,常時に撮影された全偏波SAR画像を用いて,様々な形式や寸法の橋梁が,SAR画像上でどのように投影されるかについて基礎的検討を行う.とくに4成分散乱電力分解手法を用いて,マイクロ波と橋軸方向の間の角度(照射角)と散乱電力割合の関係を調べる.また,橋梁の構造形式や形状寸法,水面からの高さなどが,後方散乱係数の分布,とくにレーダ影,倒れ込み,2回反射などにどのような影響を与えるかについて検討する.また,東日本大震災で流出した橋梁および無被害の橋梁を対象として,航空機SAR画像における橋梁範囲内の見え方を照査し,航空写真や現地調査報告書と比較検討する.さらに,2016年熊本地震の益城町を撮影した航空機SAR画像を用いて,大被害建物,および無被害建物がSAR画像上でどのように投影されるかを検討し,罹災調査結果や航空レーザー計測結果などと比較する.とくに,建物の材質や寸法形状,建物周囲の建て込み具合などがどのように影響するかを照査する.さらに,2017年九州北部豪雨の被災地を撮影した航空機SAR画像を用いて,建物倒壊や斜面崩壊がどうのようにSAR画像上に投影されるかの検討を行う.
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Research Products
(8 results)