2018 Fiscal Year Annual Research Report
Fabrication of 3-D cellular constructs using gel transfer methods
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17H02095
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
穴田 貴久 九州大学, 先導物質化学研究所, 准教授 (30398466)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 治 東北大学, 歯学研究科, 教授 (60374948)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 細胞・組織工学材料 / 細胞培養デバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
生体外における三次元細胞組織体構築は、組織再生工学における重要課題のひとつである。本研究は、独自開発した酸素透過性培養器による三次元細胞培養法を基盤とする。異なる種類の細胞塊をアレイ化したハイドロゲルによって細胞塊の配列を高度に制御し、三次元的な血管構造を有する骨様組織を作製する。この酸素透過性培養器は応用性、汎用性が非常に高く、再生医療の中核技術の一つとして新たな領域形成の可能性を有する画期的技術である。二種類以上の細胞を共培養することは、培地など条件検討などが非常に難しいのが問題であるが、本研究では3次元共培養灌流デバイスを構築し、移植可能な「活きが良く、血の通った細胞組織体」を生体外で3次元的に再構成する技術を提案し、骨再生治療へと応用を図ることを目的とする。 血管内皮細胞と間葉系幹細胞のような異なる細胞を共培養するのは異なる分化培地の組成が大幅に異なるので、両細胞を維持、分化させるための培地選択が非常に難しい。当該年度は三次元プリント技術を応用することで2種類の細胞を培養できるハイドロゲル環境を作製することに成功した。このゲルは三次元化した血管内皮細胞が血管様構造体を形成するのに適した部位と間葉系幹細胞が骨芽細胞へ分化するのに最適化した部位を有するように設計した。それぞれの部位において骨芽細胞分化と血管様構造体が形成されることを確かめることができた。この成果は米国スタンフォード大学との共同研究として論文投稿を行い、受理された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者が東北大学から九州大学に異動したため、実験環境のセットアップなどに時間を要したため、当初の計画からやや遅れを生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者の所属が異動したことにより若干の遅れが出たため、昨年度に引き続き酸素透過性培養器に間葉系幹細胞(MSC)または血管内皮細胞(EC)を播種し、培養器および培養条件の更なる条件最適化を検討する。MSCは株化細胞やヒトMSC細胞の購入、あるいはラット骨髄から採取したものを用いる。ECはヒト臍帯血由来HUVECを用いる。スフェロイドをハイドロゲルに転写するために光架橋性ゲルを用いる。当該培養器にHUVECを播種し、光架橋性ゲルに内包することで血管様管腔形成が起こることをこれまでに確かめることができたので、血管腔形成及びMSCとの共培養に最適なゲル濃度を調整する。培養は重ね合わせゲル用に作製する酸素透過性培養器を用いて行い、厚い組織体が形成しても酸素供給が行われるようにする。異種細胞の相互作用が最適になるように培養器デザインを最適化し、検討を行う。培地内の酸素分圧をマイクロ酸素濃度計によって測定する。細胞塊への酸素供給により好気的代謝経路が優位となると予想されるため、ATP産生量や糖代謝に関して従来法との比較を行う。ECとMSCをゲル内で共培養して得られるゲルシートに2種類の異なる培地を供給することができる流体培養デバイスを設計、作製する。ハイドロゲル内酸素分圧が培養中に高く維持できるためにハイドロゲルの改良、合成を行い、細胞生存率や分化に対する優位性を確認する。最適な培養条件が確立されればラットに骨欠損を作製し、ゲル移植体を埋入することでin vivoにおける効果を確認する。本研究の総括を行い、学会発表や投稿論文としてまとめる。
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Research Products
(8 results)