2018 Fiscal Year Annual Research Report
Realization of effective gene transfection by actively DNA folding-controllable polyplexes
Project/Area Number |
17H02102
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
原田 敦史 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50302774)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 遺伝子ベクター |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、電荷中和されたpDNAが規則的に折れたたまれるという特性を能動的に制御することにより、ポリプレックス内でのDNA分子フォールディングの制御による転写過程の効率化を通した高効率遺伝子導入を実現する。これまでに申請者がナノファイバー状ポリプレックスを形成することが明らかとしているカチオン性高分子(多分岐PEGを末端にもつpoly(L-lysine):maPEG-PLL)を基盤として、ポリプレックス表面での多分岐PEG密度を制御することによるポリプレックス形態(DNAフォールディング)制御を検討する。本年度は、前年度までに多分岐PEG部をもたないカチオン性高分子(poly(L-lysine)ホモポリマー:PLL)の添加によりアスペクト比を制御したポリプレックスの機能評価及び温度応答性高分子とPLLからなるブロック共重合体合成方法の確立を行った。 maPEG-PLLとPLLを種々比率で混合した水溶液とpDNA水溶液を、混合溶液中のLysine残基数とDNAのリン酸エステル基数が等しくなるよう混合することによってポリプレックス溶液を調製した。maPEG-PLL含率が30, 60, 90, 100%のポリプレックスについて核酸分解酵素耐性、RT-PCR、細胞取込、培養細胞に対する遺伝子導入効率の評価を行い、ポリプレックス形態(アスペクト比)と酵素反応性に相関があることが明らかとなった。また、伸長した形態は、細胞取込では不利となると、転写効率には有利な効果があり、結果としてナノロッド状ポリプレックスが最も高い遺伝子発現効率を示すことが確認された。さらに、能動的形態制御のために温度応答性高分子であるpoly(N-isopropylacrylamide)をRAFT重合により合成し、その片末端からPLL部を重合することによって目的とするブロック共重合体合成が可能であることを確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ポリプレックス形態(アスペクト比)が、期待したとおりのポリプレックス機能に大きな影響を示すことが確認された。この結果は論文発表するに至った。また、多分岐PEGのポリプレックス表面での立体反発(排除体積)効果による機能制御が可能であることが確認されたことから、DNAフォールディングの能動的制御のための温度応答性高分子とポリカチオンからなるブロック共重合体合成にも取り組み、その合成方法を確立するに至った。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度中に温度応答性高分子とカチオン性高分子からなるブロック共重合体を利用したDNAフォールディングの能動的制御が可能であることを明らかとし、今年度後半から最終年度である来年度にかけて培養細胞系での機能評価を行い、最終年度にはin vivoにおける機能評価を行っていく予定である。
|
Research Products
(4 results)