2018 Fiscal Year Annual Research Report
虚血性神経障害による下肢切断リスク回避のための光音響イメージング開発
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17H02113
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
石原 美弥 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 医学教育部医学科専門課程, 教授 (30505342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
額田 均 東邦大学, 医学部, 教授(寄付講座) (60118833)
八木橋 操六 公益財団法人額田医学生物学研究所, 総合研究室, 所長 (40111231)
東 隆一 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 病院 形成外科, 准教授 (00531112)
藤田 真敬 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 防衛医学研究センター 異常環境衛生研究部門, 教授 (20525927)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 医用超音波システム / 糖尿病 / 神経科学 / 量子ビーム / 生物・生体工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、光音響画像と超音波画像が重畳できる技術を最大の特徴としている。この技術を利用して、神経束を超音波画像で、光音響画像で神経血管を描出できることを、ウサギ、及び、ヒト(ボランティア、及び、糖尿病性神経障害と診断されている患者)を対象に実証している。 ウサギを対象とした実験では、本研究で開発する技術の精度検証を目的とした。すでに実績のある虚血動物モデルであるウサギを対象にした。精度検証をするためには、臨床での測定条件と、動物で施行できる条件、動物で採取できる実測値が必要である。臨床研究用には、2種類の励起波長と、2種類の検出周波数を組み合わせた条件とし、腓腹神経と正中神経を対象に測定できるよう、超音波画像取得の設定、及び、プロトコルを研究した。動物で施行できる条件の設定には、広帯域の波長におけるヘモグロビンと酸化ヘモグロビンのスペクトルを利用した。ウサギは、坐骨神経を対象とし、病理学的な裏付け、及び、生理学的な裏付けに基づいて、精度検証を行った。体表から捉えた坐骨神経束周囲の血管の光音響信号強度のスペクトル特性と、ウサギから採血した血液のスペクトル特性を比較するために700-1,100nmの範囲で測定した。この広範囲での測定はこれまで報告されていない。 この結果を、Photonics West, BiosのPhotons Plus Ultrasound: Imaging and Sensing 2019にて発表する成果をあげている。残された課題としては、光音響画像から抽出する画像パラメータについてである。今後は、この画像パラメータと、患者情報との相関を検討し、有用性を検証していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画3年のうち、初年度は生体の光散乱に着目した。生体の光散乱が血液酸素飽和度測定の精度にどの程度影響があるのか血液ファントムとモデル動物の測定結果を比較した。光散乱の影響はファントムではシミュレーション通りの結果となり、学会発表をすることができた。ファントムとモデル動物に加えて、摘出組織を対象に測定し、シミュレーションと実組織の測定結果の差異について考察できた。第2年度は、ヘモグロビンの光吸収に着目した。光伝播を考慮するアルゴリズムへの実装を目的に、広帯域なヘモグロビンの光吸収特性について、ex vivo、in vivoにて実測した。最終年度に向けて、要素を固めた点から、「(2)おおむね順調に進展している」と自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度に向けて、測定精度を明らかにすること、測定精度を高めることを、1つ目の研究の推進方策とする。光音響イメージングでは、体表から照射した光エネルギーが生体内の散乱と吸収により減衰した光エネルギーで励起された音響波を検出する。生体内で、光がどのような挙動をしているか、その結果、どのような光音響波が発生・伝播するかを計算することで、測定精度を高めることが求められる。 目的血管をどのように設定するか、これが動物実験と臨床研究をつなぐポイントである。神経障害と虚血との関連を検討するために、モデル動物を対象にしてin vivo実験を行なう。昨年度は、これまでの報告で最も広帯域な波長域(最大波長1100 nm)で測定し、実用面でのアドバンテージを提示することが出来た。また、病理画像と光音響画像を比較することで画像性能を明らかにすることが出来た。障害された神経、臓器の形態変化と、これに伴う虚血情報を明らかにすることを2つ目の推進方策とする。 最終年度として、光音響イメージングが虚血障害の病態に迫れるよう、トータルシステムの成熟化を押し進める。
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[Presentation] Clinical application of photoacoustic imaging to the evaluation of diabetic polyneuropathy2018
Author(s)
Soroku Yagihashi,Miya Ishihara,Ryotaro Hotta,Ryuichi Azuma,Hitoshi Nukada,Hiroki Mizukami,Kaku Irisawa,Dai Murakoshi,Nana Shiozawa,Satako Douguchi,Miyoko Saitou,Atsuko Tamasawa,Takeshi Osonoi
Organizer
ADA2018
Int'l Joint Research
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