2019 Fiscal Year Annual Research Report
脳卒中リハビリテーションにおける薬理的シナプス伝達制御を伴う新たな運動療法の開発
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17H02117
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
前島 洋 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (60314746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真先 敏弘 帝京科学大学, 医学教育センター, 教授 (00585028)
榊間 春利 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (10325780)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | リハビリテーション / 脳卒中 / 神経栄養因子 / シナプス / 運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳梗塞モデルラットを対象にGABAA受容体アンタゴニストであるbicucullineの腹腔内投与と運動は相乗的に運動機能の回復を促進し、損傷側運動野におけるBDNF発現を増強することを確認してきた。本年度は両要因の相互作用が大脳皮質運動野におけるシナプス可塑性修飾因子であるTrkB、シナプトフィジン、PSD-95、GABAA受容体α1サブユニットの蛋白発現に与える影響について検証を進めた。脳梗塞後には損傷半球皮質において後シナプスマーカーであるPSD-95蛋白発現の減少とGABAA受容体α1サブユニットの蛋白発現が減少する傾向が認められ、損傷半球におけるシナプス修飾因子発現における退行性変化の可能性が示唆された。一方で、これらの蛋白発現についてはGABAA受容体阻害と運動による有意な介入効果は認められなかった。 さらに、解析領域を広げ、脳梗塞後のGABAA受容体阻害が海馬におけるシナプス可塑性修飾因子のmRNAおよび蛋白発現に与える影響についても検証した。その結果、bicuculline投与は脳梗塞後の海馬におけるシナプトフィジンmRNA発現を増強し、TrkBとp75のmRNA発現比を調節することが明らかとなった。加えて、海馬におけるBDNFもbicuculline投与によりmRNA発現が増強する傾向が認められた。以上の所見からbicuculline投与と運動は相互的に脳卒中後の運動、認知の中枢に対して神経保護的、可塑的作用を有することが示唆された。 脳卒中運動療法に対するGABAA受容体阻害の有効性を広く検討するため、脳出血モデルの作成にも着手した。現在までに得られたデータから、内包損傷を伴う脳出血後は少なくとも1か月にわたり運動機能障害が持続するという脳卒中モデルとしての妥当性を担保する所見が得られており、今後はこのモデルも使用して検証を続ける予定である。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)