2018 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of function of deep and superficial muscles in humans
Project/Area Number |
17H02142
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
秋間 広 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (40292841)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 筋束長 / 羽状角 / 超音波断層装置 / 神経筋機能 / 骨格筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,肘関節の伸展作用を持つ上腕三頭筋の深層筋(内側頭)および表層筋(長頭,外側頭)について,解剖学的特徴の把握,筋力発揮時の筋形状と神経筋活動について検討することを目的としている.さらに,申請者がこれまでに行ってきた大腿四頭筋の結果とを比較しながら,深層筋と表層筋の役割について検討していく. 今年度において行なったことは主に以下の点である.1)異なる肘関節角度における力発揮中の上腕三頭筋の神経筋活動を記録した.得られたデータは現在分析中である.2)一昨年度末に行なった異なる肘関節角度における上腕三頭筋の深層筋(内側頭)と表層筋(長頭)の筋収縮に伴う筋束長および羽状角の変化について検討した.その結果,表層筋である長頭では,異なる3つの関節角度で最大筋力の50% (50%MVC)および75% (75%MVC)の力で発揮した際,筋束長は有意に短縮し,筋束長の変化は力の大きさに影響を受けなかった.一方,深層筋である内側頭においても安静時と比較して筋束長の有意な短縮が認められた.しかしながら,短縮の割合は深層筋が表層筋と比較して短い傾向が認められた(深層筋 9.4%-13.5%,表層筋 3.4%-9.4%).羽状角については深層筋である内側頭および表層筋である長頭ともに肘関節角度60度の屈曲した際の筋力発揮時に有意な羽状角の増加が認められる傾向にあった.このような違いは大腿四頭筋の深層筋と表層筋における変化と類似したものであった(Ando et al. 2015).
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた実験を実施できているため.ただし,データの分析に予想以上の時間がかかっているので,それを早急に終了させる必要性がある.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は大腿四頭筋を対象として等速性筋力発揮時の深層筋と表層筋の神経筋活動を記録する予定である.加えて,深層筋が効率良く力を伝達できることを明らかにするための実験を計画している.これについては申請書に記載したように電気刺激を用いて,深層筋を刺激した際の力の立ち上がりと表層筋を電気刺激した際の力の立ち上がりを比較することでどちらの筋がより効率的に力発揮に貢献できるのかを明らかにする.最初は大腿四頭筋を用いて検討することを計画している.理由として筋サイズが大きく,実験がしやすいためである.予想された結果が得られた場合には上腕三頭筋においても同様に行なうことを計画している.
|