2017 Fiscal Year Annual Research Report
ライフステージに応じた発達障害児における「不器用」の評価と支援法の開発
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17H02145
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
国分 充 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (40205365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 正吾 茨城キリスト教大学, 文学部, 助教 (10721772)
増田 貴人 弘前大学, 教育学部, 准教授 (20369755)
田中 敦士 琉球大学, 教育学部, 准教授 (40347125)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 発達障害 / 不器用 / ライフステージ / 支援法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、発達障害児の各ライフステージにおける「不器用」の実態把握に主眼を置いた。日常生活や学校生活で生じる「不器用」がどのようなものであるのか、学校教員や保護者を対象とした質問紙調査を行い、運動のどのような側面を「不器用」と評価しているのか把握する一方で、こうした評価と小児や青年期の発達障害児における実際の運動能力との関係を検討した。よく知られたMABC2やBOT2などの運動アセスメントの成績と、保護者などからの「不器用」という評価の関連を検討したところ、「不器用」と評価される者の運動アセスメントの成績は、そのように評価されない者達の成績よりも低い傾向にあったが、不器用と評価される者においても、運動アセスメントでは運動スキル障害のリスクなしと判定される場合も少なからず認められた。現在、更に分析を進めている。また、今回対象となった小児や自閉症スペクトラム障害(ASD)児における過去(1~2年)の運動アセスメントの成績について後方視的検討を行ったところ、運動アセスメントの成績は年齢縦断的には上昇傾向にあると共に、過去の運動アセスメントの結果から現在における保護者などからの「不器用」という評価を予測しうる可能性が示唆された。こうした一連の検討に加え、本年度はASD児の系列的な運動制御における内言の関与についても検討したところ、ASD児においては社会性障害が重篤な者ほど、運動制御に対する内言の関与が少なくなることが示唆された。これは次年度から行う不器用の関連要因を行う上でも重要な知見である。また、本年度の後半から次年度に向けてのパイロット的検討として、アイマークレコーダーを用いた運動遂行過程の分析も開始した。本年度も研究分担者と共に関連学会で自主シンポジウムを行い、研究成果の一部を公表した。また、研究分担者間で臨床活動の見学などを行い、情報交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね交付申請書の通り測定を行い、分析を進めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に得られたデータの分析を進めると共に、交付申請書に記載の通り、発達障害児における「不器用」の発生メカニズムについてのライフステージ横断的な分析を行っていく。
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Research Products
(5 results)