2018 Fiscal Year Annual Research Report
ライフステージに応じた発達障害児における「不器用」の評価と支援法の開発
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17H02145
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
国分 充 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (40205365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 正吾 茨城キリスト教大学, 文学部, 講師 (10721772)
増田 貴人 弘前大学, 教育学部, 准教授 (20369755)
田中 敦士 琉球大学, 教育学部, 准教授 (40347125)
渋谷 郁子 大阪成蹊短期大学, 幼児教育学科, 准教授 (80616938)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 発達障害 / 不器用 / ライフステージ / 支援法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、発達障害児の各ライフステージにおける「不器用」の発生メカニズムの分析に主眼を置いた。様々な年齢の自閉症スペクトラム障害(ASD)児の微細運動課題遂行中の様子をハイスピードカメラで記録すると共に、課題遂行中の視線をアイマークレコーダで同時に記録した。現在、得られたデータを分析中であるが、ASD児の中でも微細運動が巧みな者においては、体性感覚に基づく予期的制御がその一因である可能性が示唆された。その一方で、微細運動課題の成績が低い者においては、その規定要因が一様でない可能性が示唆された。 また本年度においては、ASD児の他者との共同作業場面における運動特性を明らかにするために、先行研究にもとづくMotor ToM 課題を実施した。この課題は、対面する共同作業者が使いやすいように、道具を手渡すことができるかを評価するものである。測定の結果、本研究で対象とした重篤な知的障害のないASD児においては、この課題を定型発達児と同様に遂行することが明らかとなった。この結果は、ASD児の共同作業場面に対する支援を考える上で重要な知見である。 本年度も研究分担者と共に関連学会で自主シンポジウムを行い、研究成果の一部を公表した。また、これまで継続的にデータを収集してきた運動アセスメントの妥当性検証の一部を、関連する国際誌に投稿し採択された。更に、昨年度から引き続きASD児と定型発達児を対象として、運動機能についての年齢縦断的調査を行った。これと関連して、別の研究者グループが実施している認知発達のコホート調査の視察を行い、心理発達の年齢縦断的検討についての情報交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
不器用の発生メカニズムについての検討で得られたデータの分析手法に関して、いくつかの技術的問題が生じ、その解決に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究最終年度となる次年度においては、本年度における不器用の発生メカニズムについての検討を継続すると共に、これまでの研究結果の総括を行い、発達障害児の不器用に対するライフステージごとの支援原則や介入法の提案を行う。
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Research Products
(4 results)