2018 Fiscal Year Annual Research Report
大規模最適化シミュレーションによる身体障がい者スイマーの最速泳フォームの解明
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17H02150
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中島 求 東京工業大学, 工学院, 教授 (20272669)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | スポーツバイオメカニクス / 水泳 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 昨年度までの試験的な最適化シミュレーションの結果を受け,シミュレーションプログラムに改良を施した.具体的には,昨年度,対象とすることを決定した,片前腕切断のスイマーに対して,以前行われた被験者実験の再現シミュレーション結果を実験結果と比較したところ,泳方向についてシミュレーションと実験の誤差が大きくなる傾向が見られた.そのため,シミュレーションモデルにおける入力の泳動作を詳細に再検討したところ,下肢動作が泳方向に大きな影響を及ぼすことが明らかになった.そのためシミュレーションの泳方向が実験結果と一致するよう,下肢動作の入力データを改良した.その結果,シミュレーション結果と実験結果は良く一致するようになり,シミュレーションの高精度化が実現された. 2. 改良したシミュレーションプログラムを用いて,片前腕切断スイマーを対象として,本格的な最適化シミュレーションを実行した.その結果,従来の被験者の泳動作と比較して,最適化動作では切断側上肢でより素早く水をかく動作となった.また水をかき始めるタイミングは逆に遅めとなった.さらに,以上の結果は切断側上肢の筋力特性に依存することがシミュレーションにより明らかとなったため,被験者の筋力特性を模擬できるよう,筋力を低下させた最適化シミュレーションを行ったところ,被験者の泳動作に非常に近い結果が得られた. 3. 得られた結果を,対象とする片前腕切断スイマーにアニメーションなどにより提示し,その特徴を文書や口頭により説明した. 4. 関連する国内・国際会議に参加し,成果発表および関連する研究の最新の情報収集を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展しているが,ロボットの性能向上に関して十分でないところがまだあるので,最優先課題として取り組む.
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Strategy for Future Research Activity |
ほぼ順調に進展しているが,若干ロボット実験が遅れているので,遅れを早急に取り戻すよう対処する.
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Research Products
(4 results)