2018 Fiscal Year Annual Research Report
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17H02167
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
梶本 修身 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 特任教授 (10294175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 敬 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 特任准教授 (60464616)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 実験系心理学 / 解析・評価 / 神経科学 / 疲労 / ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
本基盤研究では、自律神経機能や認知機能といった生理学的疲労指標と疲労感等の自覚的感覚の動態解析・相関解析を通じて、疲労のマスク作用を除した感覚的嗜好刺激についての探究を行い、新規疲労予防法と疲労回復法を創出することを目的としている。恋愛感情の抗疲労効果について検証するため、交際中の男女を対象に疲労負荷試験を実施した。事前検査、共同作業、疲労負荷前検査、疲労負荷、疲労負荷後検査からなる急性疲労負荷試験を共同作業時の条件を変えたクロスオーバー形式で行った。疲労負荷には、先行研究でも頻用されてるし視覚性ワーキングメモリ課題を用いた。具体的には、パーソナルコンピュータ上に連続呈示される数字を記憶し、新たに呈示された数字と2つ前に呈示された数字の異同を答える2バック課題を60分間行った。疲労負荷前後と共同作業後の疲労評価として主観(Visual analog scale, VAS)、認知機能(modified Advanced Trail Making Test, mATMT)、自律神経機能(指先の心電波と脈波の同時計測)の検査を行った。自覚的疲労感VASスコア、ストレスVASスコア、退屈さVASスコアはいずれも疲労負荷後に増大した。自律神経機能については、疲労負荷後に交感神経の過活動がみられた。mATMTの課題成績は疲労負荷前後における変化がみられなかった。共同作業による抗疲労効果については、さらに層別解析による検討等が必要であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始当初の予定通り、嗜好刺激を活かした抗疲労効果の検証を進めることができているため。
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Strategy for Future Research Activity |
抗疲労効果判定のための評価系には、これまでに確立してきた注意制御機能(mATMT)や自覚的症状(VAS)、自律神経機能(心電波・脈波)といった生理学的疲労マーカーを用いる。さらに、嗜好性刺激への応答性の層別解析に注力した個体差を考慮し、抗疲労効果の検証を進める。
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Research Products
(1 results)