2018 Fiscal Year Annual Research Report
ライフスタイルに発症起因する難治性肺疾患の征圧基盤:肺投与型DDSがその扉を開く
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17H02178
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Research Institution | Hokkaido University of Science |
Principal Investigator |
丁野 純男 北海道科学大学, 薬学部, 教授 (90347790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板垣 史郎 札幌医科大学, その他部局等, 准教授 (00360925)
戸上 紘平 北海道科学大学, 薬学部, 准教授 (20582357)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 薬物服用習慣 / 肺線維症 / DDS / リポソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】本研究では、高血圧薬など薬物の服用習慣により発症することがある肺線維症を標的疾患とした。肺線維症は、高度の線維化により蜂巣肺を形成する難治性疾患であり、 肺投与型DDSなどを応用した優れた治療薬の開発が望まれている。有効性の高い肺線維症治療法を開発するためには、抗線維化作用を有する薬物を線維組織や、肺線維症の発症および進行に関与する肺線維芽細胞内へ送達できるDDSを構築する必要がある。本研究では、肺線維症治療の最適化を指向した肺投与型DDSの開発を目的に、様々な脂質組成のリポソームを調製し、肺線維芽細胞における分布特性および線維組織を構成する collagen I への付着性を評価した。 【方法】リポソームは、主成分とする脂質:CH:DSPE-PEG2000 =7:2:1(モル比)の脂質組成とし、薄膜水和法により調製した。主成分とする脂質には、DPPC、DOTAPおよびDPPSなどの様々な電荷を有するものを選択した。培養ヒト肺線維芽細胞 (WI-38)にリポソームを適用し、37°Cで2時間培養した。培養後、0.1 M NaOHで細胞を溶解し、細胞内リポソーム取り込み量(nmol lipid/mg cell protein)を求めた。また、MTT assayにより、WI-38にリポソーム適用24時間後の細胞毒性を評価した。さらに、collagen Iコーティングプレートへのリポソームの付着性を評価した。 【結果及び考察】カチオン性脂質である DOTAP を主成分とするリポソームが、 WI-38 細胞内への集積性に最も優れていた。また、中性または正電荷を有するリポソームでは、細胞生存率は高値を示した。さらに、collagen I への付着性は、DOTAPを主成分とするリポソームが最も優れていた。以上の結果は、肺線維芽細胞および線維組織への送達には、DOTAPを主成分とするリポソームが適していることを示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通りに進行しており、今後も計画通りの進展が見込まれる。
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