2017 Fiscal Year Annual Research Report
Regulatory mechanism of muscle hypertrophy by vitamin D intake and exercise for the prevention of sarcopenia
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17H02183
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
藤田 聡 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (80451863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有光 琢磨 立命館大学, スポーツ健康科学部, 助教 (00616021)
篠原 靖司 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (10546708)
小笠原 理紀 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10634602)
藤本 雅大 立命館大学, スポーツ健康科学部, 助教 (10732919)
佐藤 幸治 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (20584022)
福 典之 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (40392526)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ビタミンD / 筋量 / レジスタンス運動 / 筋肥大 |
Outline of Annual Research Achievements |
〈背景〉高齢期におけるビタミンD不足は筋量や筋力、筋機能の低下と関連している。さらに、ビタミンDが不足傾向にある高齢者にビタミンDを摂取させることにより、筋力や筋機能が向上することも報告されている。しかしながら、ビタミンDとレジスタンス運動の組み合わせによる相乗効果について、ビタミンD代謝の季節変動、ビタミンD摂取のタイミング、レジスタンス運動における運動強度を包括的に考慮した介入研究は皆無である。 〈方法〉65歳以上の健康な高齢男性を対象として、中強度レジスタンス運動とビタミンDサプリメント(2,000IU/日)の摂取を併用するビタミンD群、中強度レジスタンス運動と偽薬の摂取を併用するプラセボ群に分けた。下肢2種目の中強度レジスタンス運動(50%1-RM、14回×3セット、セット間休息3分)を週2回の頻度で12週間実施した。トレーニング介入の前後で、筋量(除脂肪量)、筋力(膝伸展・屈曲最大トルク)、血液指標の測定を行った。 〈結果〉12週間の介入前後で、下肢の除脂肪量は介入前後で有意に増加したものの、群間差は認められなかった。また、筋力の結果について群間差は認められなかった。介入前の25(OH)D濃度とHOMA-IRおよび糖負荷試験時血糖AUCにおいて負の相関を示した。 〈結論〉本研究では、健康な高齢者男性を対象として、12週間の中強度レジスタンス運動とビタミンD摂取の組み合わせにより、身体機能および筋機能に及ぼす影響を検証した。その結果、中強度レジスタンス運動による筋量、筋力および筋機能の有意な増加は認められたが、12週間のビタミンD摂取(2,000IU/日)による筋量、筋力および筋機能への相乗効果は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
介入研究は計画どおりに実施することができ、測定項目も全て評価し終えた。一部、介入研究の結果が予想と異なるため、ビタミンDの投与量、介入期間について再検討を行う。また、筋量の評価については除脂肪量のみならず、MRIデータから筋横断面積の評価も引き続き行う。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度はビタミンD 摂取と単回の運動および栄養(ロイシン高配合必須アミノ酸)摂取の組み合わせが筋タンパク質の代謝調節に及ぼす影響について調査を行う。また加齢がビタミンD 代謝およびタンパク質代謝に及ぼす影響を検討するために、若年被験者も対象とする。 <実験プロトコル> 健常な高齢男女と若年男女を被験者として研究を実施する。被験者は若年者群と高齢者群それぞれビタミンD 摂取群(各10 名)とプラセボ群(各10 名)にランダムに分ける。血中のビタミンD 濃度(25(OH)D3)を上昇させることを目的に、事前に4 週間のビタミンD3(50μg/日(2000IU/日))あるいはプラセボ摂取を実施する。実験前日の晩に規定食を摂取後は朝食まで10 時間の絶食とし、空腹状態にて実験を行う。 運動プログラム:最大挙上重量の50%にて膝伸展および屈曲運動をウエイトスタック式のマシンを用いて運動(各セットを疲労困憊まで挙上×3 セット)する。レジスタンス運動によるアミノ酸輸送体の発現とタンパク質同化作用を最大限に高めるため、運動終了直後に必須アミノ酸を摂取する。 筋生検:4 週間のビタミンD 摂取期間前、単回運動の実施直前、および運動実施の3 時間後に、外側広筋腹中央より筋生検を行い、アミノ酸輸送体および関連タンパク質、mTORC1 シグナル関連因子など各種タンパク質の検出および定量化を行う。 採血:事前投与期間の前、運動およびアミノ酸摂取前後において静脈より採血を行い、血糖値、アミノ酸濃度、ビタミンD 濃度、などを評価する。
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