2018 Fiscal Year Annual Research Report
Regulatory mechanism of muscle hypertrophy by vitamin D intake and exercise for the prevention of sarcopenia
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17H02183
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
藤田 聡 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (80451863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有光 琢磨 立命館大学, スポーツ健康科学部, 助教 (00616021)
篠原 靖司 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (10546708)
小笠原 理紀 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10634602)
藤本 雅大 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 人間情報研究部門, 主任研究員 (10732919)
佐藤 幸治 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (20584022)
福 典之 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (40392526)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ビタミンD / 骨格筋 / タンパク質代謝 / レジスタンス運動 / サルコペニア |
Outline of Annual Research Achievements |
ビタミンD が骨格筋量の維持・増加に関与することが示唆されており、特に高齢期におけるビタミンD不足は骨粗しょう症のリスク増加のみならずサルコペニアと関連することが報告されている。しかし、その詳細作用機序については不明な点が多い。 本研究課題では、ビタミンDが骨格筋タンパク質の代謝調整に及ぼす影響を明らかにすることで、サルコペニア予防に向けた栄養・運動介入法の開発の一助となることを目的としている。昨年度は動物実験において、短期間のビタミンD摂取と単回レジスタンス運動の組み合わせが筋タンパク質代謝を制御するシグナル伝達経路に及ぼす影響を明らかにした。またヒト臨床試験を実施し、一過性のレジスタンス運動がビタミンD受容体(VDR)やビタミンD代謝酵素に及ぼす影響について検討を開始した。 動物実験では8週齢のSparague-Dawleyラットにおいて、10日間の4000 IUのビタミンD食摂取により、血中・筋中の25(OH)2D3濃度と筋内VDRおよびビタミンD代謝酵素の有意な発現増加が確認された。しかしながら、短期間の高ビタミンD食摂取はレジスタンス運動によるmTORC1シグナル経路のリン酸化を促進せず、短期間のビタミンD摂取によりレジスタンス運動誘発性の筋内のビタミンD代謝および筋タンパク質合成は運動刺激以上には促進しないことが示唆された。 ヒト臨床試験については、若年者20名を対象に実験を開始した。臨床試験は2019年度も継続しており、全ての実験が終了次第、組織解析を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた計画どおりに研究は進んでいる。 動物実験において、レジスタンス運動による骨格筋内でのビタミンD代謝への影響は先行研究を再確認できたが、事前のビタミンDの投与による相乗効果は確認できなかった。この機序については今後ビタミンD不足の動物モデルとの比較において明らかにしていく予定である。 ヒト臨床試験については、既に倫理委員会での承認も得られ、本実験を開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
健常な若年男性を被験者として研究を実施する。被験者は若年者とし、一過性のレジスタンス運動を実施し、その前後において筋生検により筋サンプルを採取することで、運動前後における筋細胞内でのビタミンD受容体や筋たんぱく質合成に関わるシグナルタンパク質の発現を比較・検討する。 運動プログラム:最大挙上重量の70%にて膝伸展および屈曲運動をウエイトスタック式のマシンを用いて運動(各セット10回×3 セット)する。レジスタンス運動によるアミノ酸輸送体の発現とタンパク質同化作用を最大限に高めるため、運動終了直後に必須アミノ酸を摂取する。 筋生検:単回運動の実施直前、および運動実施の90分後に、外側広筋腹中央から筋生検を行う。採血:事前投与期間の前、運動およびアミノ酸摂取前後において静脈より採血を行う。 血液分析:血糖値、アミノ酸濃度、ビタミンD 濃度(25(OH)D3 および1,25(OH)2D3)、など。筋組織の分析:凍結保存された筋サンプルを調整後、遠心分離し、その上清をSDS-PAGE による電気泳動分離する。それぞれの抗体を用いて高感度ウエスタンブロッティング法にてビタミンD 受容体および代謝関連因子、アミノ酸輸送体および関連タンパク質、mTORC1 シグナル関連因子など各種タンパク質の検出および定量化を行う。
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Research Products
(11 results)