2018 Fiscal Year Annual Research Report

Longitudinal examination of attention deficit hyperactivity of children in a birth cohort study

Research Project

Project/Area Number	17H02189
Research Institution	Tohoku University
Principal Investigator	仲井邦彦東北大学, 医学系研究科, 教授 (00291336)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	藤原幾磨東北大学, 医学系研究科, 教授 (10271909) 津野香奈美和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (30713309) 吉益光一和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (40382337) 龍田希東北大学, 医学系研究科, 講師 (40547709)
Project Period (FY)	2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords	ADHD / 多動 / 注意欠如 / 出生コホート
Outline of Annual Research Achievements	近年、注意欠如多動性障害（Attention deficit hyperactivity disorder; ADHD）などの発達障害と診断される症例が増加し、学校での通級指導数の急増も問題となっている。ADHD増加の要因として、遺伝要因の関与が報告されているものの、短期間の症例数増加は、遺伝要因のみでは説明が難しい。ADHDに対する社会的な関心が見かけ上の増加と関連することも考えられるが、環境要因の関与も懸念される。そこで、就学前の幼児の多動および注意欠如傾向（ADH傾向）と関連する環境要因を明らかにするため、縦断的な観察研究を進めてきた。対象児は環境省の大規模出生コホート調査である「子どもの健康と環境に関する全国調査（エコチル調査）」の参加者から協力を得て登録した。調査では、対象児が3.5歳頃に児の知能指数の測定及び保育所・幼稚園にて担任の協力を得てADH傾向調査を実施した。本年度までに対象児の全てでこの3.5歳の年齢を通過し、調査を終了した。ADH傾向のスコア化は、保育所・幼稚園の協力を得て実施する「行動特徴のチェックリスト」及び問題行動の包括的評価票であるC-TRF（CBCLの教師版、国内で標準化）を用いた。さらに、母親からもADH傾向に関する採点を得た。現在、心理発達指標のデータの精査を進めており、データベース化に向けて準備を行っている。多変量解析で用いる共変量について、エコチル調査よりデータ提供を受けデータリンクを準備した。共変量候補として、母出産時年齢、体格指標、社会経済的要因（家庭総収入、学歴、職業有無など）、母親IQ、飲酒と喫煙習慣、産科学的指標、出生体重、在胎期間、性別、授乳歴、検査時の体格指標、子の受動喫煙、7および24ヶ月の発達指数などとした。なお、調査結果の報告を希望する養育者への報告の準備を進めた。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned. Reason 出生コホート調査の調査参加者を対象に、3.5歳にて心理検査を実施する計画であり、2018年度までに全対象者の調査を予定通り終了した。今後はデータ固定とデータベース構築を実施し、統計解析を進める。
Strategy for Future Research Activity	対象児（3.5歳頃）の知能指数の測定及び保育所・幼稚園にてクラス担任によるADH傾向調査について、本年度までに全ての対象児が3.5歳を通過し調査を終了した。ADH指標として、保育所・幼稚園の協力を得て実施した「行動特徴のチェックリスト」及び問題行動の包括的評価票であるC-TRF（CBCL教師版）を用いた。今後は心理発達指標のデータについて精査を進め、データ固定を行う。統計解析では多変量解析で用いるが、その共変量について、エコチル調査よりデータ提供を受け、連結匿名化によりデータをリンクさせる。共変量の候補として、母出産時年齢、体格指標（妊娠前BMIおよび妊娠期間中の体重増）、社会経済的要因（家庭総収入、学歴、職業の有無など）、母親IQ、飲酒と喫煙習慣、産科学的指標、産後うつスケールなどに加え、小児については出生体重、在胎期間、性別、授乳歴、検査時の体重などの体格指標、受動喫煙、7ヶ月および24ヶ月時点の発達指数などとする。最終的にデータベースを構築し、分担研究者とデータを共有し、統計解析を進める。統計解析では、知能指標またはADH指標と関連する要因を解析する。心理発達指標を連続変数として取り扱って重回帰分析を行うとともに、カットオフ値を設定し二値化を行って、多重ロジスティック解析を進める。なお、母親からもADH傾向について採点結果を得ており、保育所・幼稚園のクラス担任による採点結果と母親による採点結果との比較を行う。研究成果については学会発表や学術雑誌での公表を目指す。