2020 Fiscal Year Annual Research Report
栄養等の発生発達期環境整備に向けた環境-遺伝子-エピゲノム-形質連関の包括的解析
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17H02198
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Research Institution | National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition |
Principal Investigator |
瀧本 秀美 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 栄養疫学・食育研究部, 部長 (50270690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡光 基子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 准教授 (20285448)
佐藤 憲子 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 准教授 (70280956)
宮坂 尚幸 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (70313252)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 出生コホート / 食事調査 / ゲノム / エピゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年から2019年まで東京医科歯科大学出生前コホートへの参画を承諾した122名の妊婦のうち、東京医科歯科大学以外で出産した7名、多胎妊婦3名、外国人の妊婦2名を除外した108名を対象として妊婦の食事の質についてNRF9.3スコアを用いて評価した。また、妊娠中体重増加量と食事の質との関係を解析した。その結果、NRF9.3スコアが高い、すなわち、日本人の食事摂取基準と比した栄養素の摂取度が良いほど、妊娠中体重増加量が低下した。また、早産、胎児発育不良、妊娠合併症のリスクが小さくなるような妊娠中体重増加量の範囲以上に体重増加が達成できた妊婦は、体重増加がその範囲に満たない妊婦より、NRF9.3が低かった。健全な胎児発育のためには、十分な栄養素摂取が必要である。現状では、妊娠中体重増加量が十分であっても、妊婦の栄養の質が良いとは限らないことが明らかになった。体重は、だれでも簡単に測定することができるが、食事の質は、簡単に評価することができない。妊婦自身が食事の質を評価し、栄養の質を高めることができるような食事アプリの開発の重要性が再認識された(論文投稿準備中)。 また、iPhoneでの利用を想定した妊産婦のための食事評価アプリの作成を行い、画面イメージを確定した。本アプリでは、妊婦個人が自身の食事写真を登録するとともに「妊産婦のための食事バランスガイド」と比較した判定結果が日ごとに表示される仕組みとなっており、日々の食事管理に役立つツールとして活用可能と考えられた。次年度にはアプリの実証を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年の後半からコロナ対応に伴う出勤制限なども次第に解消されたため、滞っていた食事調査のデータクリーニングや整理も再開できた。また、アプリ作成の手続きも進めることができ、本研究期間中には実装できる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である本年度は、これまでに収集した母児のデータをもとに、妊娠中の食事と母親のメンタルヘルスや児の出生時状況及び発育状況、母児の血液検査データとの関連についてさらに検討を深め、論文執筆に注力する。 また、2020年度に開発に着手した妊産婦の食事評価アプリを、妊産婦に実際に使用してもらい性能の向上を図る。
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Research Products
(4 results)