2018 Fiscal Year Annual Research Report
各種疾病治療を目指した電位依存性ナトリウムチャネルサブタイプ選択的阻害剤の探索
Project/Area Number |
17H02199
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
此木 敬一 東北大学, 農学研究科, 准教授 (40292825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日高 將文 東北大学, 農学研究科, 助教 (00584848)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 電位依存性ナトリウムチャネル / ハイスループットスクリーニング / 電気生理実験 / テトロドトトキシン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、電位依存性ナトリウムチャネル(Nav)サブタイプに対する有毒二次代謝産物等の結合性を調べるハイスループットスクリーニング(HTS)系を樹立し、フグ毒テトロドトトキシン(TTX)誘導体からなるフォーカストライブラリー、クロイソカイメン由来フラクションライブラリーを基に、各種疾病治療の原石となるNavサブタイプ選択的阻害剤の探索を目的とする。 平成29年度、293T細胞に一過性発現させた特定のNavサブタイプに対する有毒二次代謝産物等の結合性を調べるハイスループットスクリーニング(HTS)系の樹立を目指したが、同HTS系の樹立には至らなかった。 平成30年度、連携研究者よりお預かりした各種グアニジン化合物等に対するNavの感受性を調べた。1)4,9-アンヒドロテトロドトキシン(4,9-anhydroTTX)はNav1.6に対して高選択性を示すTTX誘導体として知られる。しかし、昨年、我々は本性質が再現されなかったことを公表論文上で報告したところ、ある外国の研究者により、確かに4,9-anhydroTTXはNav1.6に対して高結合性を示したが、同試料の由来や保存状態は曖昧である旨、ご連絡を頂いた。我々はこの外国の研究者が保存用に用いていたジメチルスルオキシドを疑い、4,9-anhydroTTXをDMSO含有溶液に保存し、一定期間後、Nav1.6に対する選択性の有無が生じるかどうか調べることにした。その結果、保存直後、保存後2、3日の後で何も変化が生じず、293T細胞に一過性発現させたNav1.6に対する高結合性に確認に至らなかった。同保存液は次年度、再度、電気生理実験に適用しNav1.6選択性の有無を調査する所存である。2)連携研究者からお預かりした各種グアニジン基含有化合物をマウス神経芽細胞腫Neuro 2Aに投与し、電気生理実験によりNav阻害活性を調査した。しかし、いずれの化合物もNav阻害活性を示さなかった。3)一方、別の連携研究者よりお預かりした新規化合物はNav阻害活性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度、電位依存性ナトリウムチャネル(Nav)のアゴニストであるベラトリジン(VER)をNav発現細胞に添加し、生じた細胞膜の脱分極を膜電位感受性蛍光色素で捉える手法の開発を目指したが、計画通りではなかった。原因は、Navを一過性発現する293T細胞において蛍光色素で捉えうる顕著な脱分極作用が生じていなかったためと考えている。そこで、予め複数のNavサブタイプが発現するマウス神経芽細胞腫Neuro 2Aを用いる軌道修正を測ったが、同様の結果であった。 平成30年度内における当該研究の進展は順調であったと捉えている。
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Strategy for Future Research Activity |
Navに対する有毒二次代謝産物等の結合をハイスループットでスクリーニングする観測系の樹立は極めて困難であることがわかったため、電気生理実験によりセミハイスループットスクリーニングを実施する。当初の計画にあったクロイソカイメン抽出物を各種溶媒分画して得られるフラクションライブラリーを用い、マウス神経芽細胞腫Neuro 2Aに発現するNavの感受性を調べることにより、新規Nav結合性二次代謝産物を探索する計画である。
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Research Products
(23 results)
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[Presentation] Sensitivity of the voltage-gated sodium channel subtypes, Nav1.1 to Nav1.7, against guanidine-containing natural products and their analogues2019
Author(s)
Tadaaki Tsukamoto, Yukie Chiba, Shunsuke Tsunogae, Tomoshi Yamada, Yuko Cho, Ryo Sakakibara, Takuya Imazu, Shouta Tokoro, Yoshiki Satake, Yuki Ishikawa, Yoshiki Nakane, Masaatsu Adachi, Atsuo Nakazaki, Toshio Nishikawa, Minoru Wakamori, Mari Yotsu-Yamashita, Keiichi Konoki
Organizer
新学術領域研究(研究領域提案型)「化学コミュニケーションのフロンティア」第1回国際シンポジウム(ISCC2019)(第4回公開シンポジウム)
Int'l Joint Research
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[Presentation] テトロドトキシン類縁体に対する電位依存性ナトリウムチャネルの感受性評価2018
Author(s)
塚本匡顕, 千葉雪絵, 若森 実, 日高將文, 山田智士, 角替俊輔, 長 由扶子, 榊原 良, 今津拓也, 所 聖太, 佐竹佳樹, 安立昌篤, 西川俊夫, 山下まり, 此木敬一
Organizer
第60回天然有機化合物討論会
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