2017 Fiscal Year Annual Research Report
DABBファミリー酵素を素材とした新規ポリケタイド閉環酵素の創出
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17H02203
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
森田 洋行 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 教授 (20416663)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 生合成 / 酵素工学 / ポリケタイド / アルカロイド |
Outline of Annual Research Achievements |
アサ由来オリベトール閉環酵素(OAC)の基質特異性はペンチル結合ポケットによって決定されている。従って、このペンチル結合ポケットの形状を変化させれば、OACの基質特異性を変換し、あらたな化合物を創出できる可能性がある。本年度は、OACのペンチル結合ポケットを構成するアミノ酸に変異を導入することで新規機能を有するOAC機能改変酵素の創出を目指した。 まず、OACのペンチル結合ポケット構成アミノ酸残基を、より嵩高いアミノ酸や嵩低いアミノ酸に変換し、作成した変異酵素をHis-tag等との融合タンパク質として大腸菌に異種発現させ、アフィニティーカラムを用いて精製した。次に、ブチリルCoAやオクタノイルCoA等の脂肪酸CoAとマロニルCoAを基質とし、Ⅲ型PKSとして申請者らが報告した中でも特に曖昧な基質特異性を示すトウゲシバ由来HsPKS1とOAC変異酵素との共反応を行い、それらの反応生成物とHsPKS1が単独で生成する生成物とをHPLCやLC-MSを用いて比較した。しかし、作成したOAC変異酵素の関与により、初めて生産されるあらたな化合物を見いだすことはできなかった。一方、ブチリルCoAやオクタノイルCoをマロニルCoAとともに作用させたHsPKS1単独の反応生成物とHsPKS1と野生型OACの共反応生成物を比較した結果、OACの共存によってのみ生成する未知化合物の存在を確認した。現在、酵素反応条件の最適化を行っている。 さらに本年度は、これらと並行して、OACと同一のDABBファミリーに属する植物由来機能未知タンパク質、SP1とAt5g22580の大腸菌での異種発現系の構築に着手した。しかしながら、大腸菌で発現したSP1とAt5g22580の多くは封入体を形成し、少量が可溶性タンパク質として得られるのみであった。本研究課題を遂行するためには、不十分な量であるため、現在、タンパク質発現条件の最適化を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、OAC変異酵素の作成と作成したOAC変異酵素の反応生成物の解析を目標にしていた。これらのOACに変異を導入したことによって生産するあらたな化合物を見いだすことはできなかったものの、OAC野生型がマロニルCoAとブチリルCoAやマロニルCoAとオクタノイルCoAから生産される直鎖状ポリケタイドCoAを基質とし、未知化合物を生産する可能性を見いだしていることから、総合的に考えて、概ね計画通りに進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
OAC野生型の酵素反応において今年度に見いだした未知化合物の酵素反応条件の最適化、及びそれらの化学構造を決定することを目指す。また、大腸菌で発現したSP1とAt5g22580の多くは封入体を形成し、少量が可溶性タンパク質として得られるのみであったため、それらのタンパク質発現条件を最適化し、変異を導入して、ポリケタイド閉環酵素としての機能付加を試みる。
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Research Products
(9 results)