2019 Fiscal Year Annual Research Report
合成分子と蛋白質を駆使した膜蛋白質の動態解明技術の開発
Project/Area Number |
17H02210
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堀 雄一郎 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (00444563)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | pHプローブ / PYPタグ / 細胞膜タンパク質 / 内在化 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞膜タンパク質が存在するエンドソームは、内在化の進行に応じて、小胞内のpHを低下させることが知られている。このpH変化を捉えることができれば、細胞膜タンパク質の内在化の進行過程をより精密に明らかにすることができる。そこで、本年度の研究では、タンパク質をラベル化し、pH変化に応じて波長が変化する蛍光プローブシステムを開発した。PYPタグのリガンドのうち、7-ヒドロキシクマリン(7-HC)のヒドロキシ基は、PYPタグとの結合に伴い、pKaが3程度に低下する。この異常なpKaの低下は、Glu46とヒドロキシ基との水素結合にあることが報告されている。一方、Glu46に変異を導入するとpKaが上昇することが知られていることから、Glu46変異体を作成することで、内在化過程におけるpH変化に応答する蛍光プローブシステムを開発できると考えた。そこで、種々のGlu46変異体を作成し、7-HCとの結合及びpKaの変化について検討した。7-HCと各種PYPタグ変異体を反応させ、7-HCの吸収スペクトルを測定した。全ての変異体において、中性pHでは、440~460 nm付近に吸収極大を示し、pH低下に従いブルーシフトし370 nm~380 nm付近の吸光度を上昇させた。pKaを算出したところ、野生型では、pKa=2.7であるのに対し、変異体ではpKa=4.4~6.6の値を示した。次に、励起スペクトルを測定したところ、吸収スペクトルと同様に、中性pHでは440~460 nm付近にあるピークが、pH低下に伴い370 nm~380 nm付近にブルーシフトした。pKaも吸収スペクトル測定とほぼ同様の結果を示した。更に、変異体の一つをEGFRに融合させ、7-HCでラベル化しイメージングできることを確認した。
|
Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|