2017 Fiscal Year Annual Research Report
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17H02248
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山田 義裕 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 教授 (40200761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奈良 雅史 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (10737000)
岡本 亮輔 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (30747952)
山中 弘 筑波大学, 人文社会系, 教授 (40201842)
内田 純一 小樽商科大学, 商学研究科, 教授 (40344527)
山村 高淑 北海道大学, 観光学高等研究センター, 教授 (60351376)
金 ソンミン 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (60600426)
清水 賢一郎 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 教授 (90262097)
門田 岳久 立教大学, 観光学部, 准教授 (90633529)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 観光 / 拡張現実 / 東アジア |
Outline of Annual Research Achievements |
現実空間の側からネット空間への影響を明らかにするために、研究分担者をコンテンツツーリズムや巡礼ツーリズム等に関する現地調査を実施するグループと、ネット上で発信される観光をめぐる言説の分析等を行うグループに分け、各グループで調査を実施し、その研究成果についてグループ合同の研究会を開催して意見交換を行った。 主なフィールド調査についての実績を報告する。昨年9月、アニメイベントにおけるファン文化とライセンスビジネスの関係性の実態と課題を明らかにするため、北海道厚岸郡浜中町において浜中町商工会、アニメ製作関係者の協力を得て、 現地実地調査ならびに関係者ヒアリングを行った。10月には中国雲南省昆明市および紅河州においてフィールド調査を実施し、近年のウイグル人によるものとされる中国国内におけるテロ事件に伴うネット空間でのイスラムフォビアが、回族を中心とするムスリム集住地域における非ムスリムによる観光を活性化している状況を調査した。今年3月、台湾台北市において暗渠探索のまち歩きに関する実地調査を行い、併せて「台北水路踏査」の副題をもつ文芸的エッセイ『舒蘭河上』の著者謝海盟らへのヒアリングも実施した。また、関東の神社を中心にフィールド調査を行い、ネットや各種メディアでのパワースポット言説がこれらの寺社のあり方にどのような影響を与えているのかを考察した。 理論的研究業績としては、聖地・巡礼路の観光弾力性に基づく、現代の宗教状況における巡礼ツーリズムの位置づけについての分析、オートモビリティの観点から、車による巡礼と<場所>の再構築を分析したロードサイドフォークロアの試論等があり、本研究プロジェクトの総論的な研究として、現実空間の多孔化、モビリティ・パラダイム、infospher等のキーワードを用いて、虚構のリアリティが仮想現実から拡張現実へと変容している仮説についての吟味・考察を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は、フィールドワーク等の現地調査をするグループは計画どおりの研究成果を上げているが、観光に関するメディアの言説分析のグループの作業がやや遅れており、グループの合同セッションにおける議論がやや不十分であったが、その他に関してはおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度においては、フィールドワーク等の現地調査をさらに推進するとともに、観光に関するメディアの言説分析グループの作業を本格化させる予定である。研究会の開催数を増やし、グループ間あるいは研究分担者同士のコミュニケーションを活性化させることで、最終年度(平成31年度)に質の高い研究のアウトプットを出すための研究の足場を固めたい。
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Research Products
(29 results)