2017 Fiscal Year Annual Research Report
バーミヤン渓谷出土写本を中心とする新出仏教写本の研究
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17H02272
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
松田 和信 佛教大学, 仏教学部, 教授 (90268128)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 仏教学 / アフガニスタン / 写本 / サンスクリット語 / ガンダーラ語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はアフガニスタンのバーミヤン渓谷から近年発見されたインド語仏教写本、および近隣地域から発見されたガンダーラ語あるいは梵語写本類に対して、欧米の研究協力者と共に解読研究を行い、写本から回収される新たな仏教文献の原典出版を行い、特に、バーミヤン写本については『スコイエン・コレクションの仏教写本』の第5巻(最終巻)として出版することを目的としている。平成29年度は、スコイエン・コレクション(ノルウェー)所蔵のバーミヤン出土写本に加えて、ギルギットから発見されたと伝えられる梵語による長阿含経写本、さらにチベット・ラサに保存された菩薩蔵経の梵語写本について、現在までに未解読あるいはテキストの未作成であった部分に対して、海外の研究協力者と共に解読作業を行うとともに、テクスト作成を行った。さらに研究成果の一部については、研究代表者は、ソウルの高麗大学で開催されたAAS-in-Asia(29年6月)、カナダのトロント大学で開催された第18回国際仏教学会(29年8月)、中国の大理で開催された2017 Chong Sheng Forum(29年9月)において研究発表を行った。またノルウェー・オスロ大学のイェンス・ブロールヴィック教授(ノルウェー学士院会員)を招聘して菩薩蔵経写本の解読困難な部分について検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究プロジェクトの1年目が終了した段階であるが、研究対象とするインド語仏教写本の写真資料はすでに入手し、同じ写本類を研究している海外の研究協力者との連携にも問題点は見られない。複数の海外学会において研究発表も行い、海外研究協力者を研究代表者の所属機関に招聘して共に写本を解読して難読箇所を解明する機会も持った。よって、概ね研究は順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
バーミヤンあるいはその近隣地域からの新発見写本は膨大な量に上り、先に終了した研究プロジェクト等によって刊行された『スコイエン・コレクションの仏教写本』の第1巻から第4巻の大冊4巻を持ってしても、研究代表者と海外研究協力者は新発見写本全体の約半数を出版したに過ぎない。平成30年度以降も、海外研究協力者と密な連絡を取りながら、本研究終了後、『スコイエン・コレクションの仏教写本』の第5巻刊行に向けて、海外研究協力者と共に写本解読とテキスト校訂作業を続けていきたい。
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