2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17H02305
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Research Institution | Kyoto University of Art and Design |
Principal Investigator |
乾 淑子 京都造形芸術大学, 芸術学部, 非常勤講師 (40183008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小勝 禮子 京都造形芸術大学, 芸術学部, 非常勤講師 (80370865)
種田 和加子 藤女子大学, 文学部, 教授 (90171868)
日比野 利信 北九州市立自然史・歴史博物館, 歴史課, 学芸員 (90372234)
塩谷 もも 島根県立大学, 人間文化学部, 准教授 (90456244)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 日本髪 / 芸者 / 文化伝承 / ハイカラ / 洋装 / 洋館 / 近代化 / 着物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は近代日本における服飾変容の実際が歴史の中でどのように社会と結び、社会の方向性を示したのかを明らかにすることであったが、多様な服飾の全体を対象とすることの困難を研究の初期に再認識し、神は細部に宿るという格言に従うことにした。 まず個人研究とは別に希望者全員参加のワークショップとして、日本髪および花柳界の実際についてフィールドワークを行った。明治から昭和前期の服飾をリードした花柳界を、日本文化の研究者でありながらも知らないことが多い。また当該期間の一般女性の多くが結っていた日本髪が廃れて久しく、これも体験することが最も相応しい理解方法である。通算して3年間に、日本髪については4回、花柳界については7回のワークショップを実施した。 また西欧化を目指す政府の政策および庶民の憧れを可視化する要素の一つであった近代洋風建築の見学を合計で3回実施し、併せて個人研究の研究発表会を4回行った。海外在住者を含む交通費の関係上、適宜組み合わせて実施した(髪結いと花柳界体験を、洋風建築見学と研究発表会を同日に連続するなど)。 2020年3月に「研究報告書:服飾から見る近代日本の生成----ハイカラと上品」を上梓した(CiNiiにて検索が可能)。すべてのメンバーの論考を掲載することはできなかったが、それぞれにオリジナルな「細部」に関する論考である。①あるべき幼児教育という志向による洋装の保母や児童の図。②万国博覧会の政府公式展示ではない興行によって芸者イメージが独走するに至った経緯③中国的な文人趣味の有り様が遺存した一つとしての服飾の一側面④男性の遊興への奉仕から、伝統芸能の継承へと変遷した花柳界を表現した絵画的視点⑤三都花柳界の服飾の、江戸時代からの変化と化粧・結髪・衿・紋などの細部⑥外国での日本文化紹介の一環としての和装⑦女学生風俗におけるリボンと花飾り、等々について論じた。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(25 results)