2017 Fiscal Year Annual Research Report
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17H02314
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
小林 健二 国文学研究資料館, 研究部, 教授 (70141992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 真麻理 国文学研究資料館, 研究部, 教授 (50280532)
恋田 知子 国文学研究資料館, 研究部, 助教 (50516995)
リーブズ クリストファー 国文学研究資料館, 研究部, 助教 (60776186)
海野 圭介 国文学研究資料館, 研究部, 准教授 (80346155)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 幸若舞曲 / 古浄瑠璃 / 説経 / 絵巻 / 絵本 / 屏風絵 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度の研究活動としては、2回の研究会とダブリンでの国際研究集会においてシンポジウムを行い、国内外の語り物絵画資料の調査を行った。詳細は以下の通り。 第1回研究会は2017年6月18日に国文学研究資料館において行った。内容は研究協力者粂汐里の研究発表「芸能の絵画資料―説経・古浄瑠璃の場合―」と代表である小林健二の個人蔵「源義経一代記屏風」「大織冠図屏風」についての研究報告がなされた。第2回研究会は2017年12月26日に国文学研究資料館で行った。内容は30年6月の説話文学会大会において当共同研究の判官物についての研究成果を発信することとなり、その準備発表と打ち合わせを行った。発表は小林健二「『義経一代記図』屏風の見方」、鈴木彰「『義経記』研究の現在と未来」、齋藤真麻理「判官物お伽草子の諸問題」、本井牧子「「義経東下り物語」の成立と展開諸問題」である。 国内資料調査は、広島県の海の見える杜美術館で「舞の本絵本」「十番切り絵巻」などの合同調査を行い、代表の小林が中心となって鳥取の渡辺美術館蔵「曾我物語図屏風」、出雲の手銭記念館「烏帽子折絵巻貼り交ぜ屏風」を調査し、必要な箇所を撮影した。 海外資料調査は、アイルランドのダブリンにあるチェスタービーティ・ライブラリーに所蔵される「舞の本絵巻」など20点あまりの関連資料を調査し、撮影を行った。また、同時期にチェスタービーティ・ライブラリーで開催された海外国際研究集会「日本の絵ものがたりの世界」において、当共同研究は「絵物語の〈かたり〉と〈かたち〉」というテーマでパネルを組んで参加し、小林健二「『舞の本絵巻』に関する二・三の問題」、齋藤真麻理「『大江山絵巻』とその周辺」、恋田知子「大織冠の絵巻・絵本化をめぐって」、粂汐里「『江島物語』と相撲」、酒井公子「在欧州『舞の本絵巻』について-ベルリンの『烏帽子折絵巻』を中心に-」の研究発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海外資料の調査では、本研究の最大の目標であったチェスタービーティ・ライブラリーの「舞の本絵巻」6軸と「村松物語絵巻」3軸を中心に約20点の貴重な資料を調査することができ、国内では海の見える杜美術館蔵のそれぞれ大部な資料なので全体の撮影は叶わなかったが、研究に必要な箇所についてはデジタル撮影で画像データを入手することができたのは重要な進捗である。 撮影した資料内容の分析も進んでおり、成果の一部を8月5日のチェスタービーティ・ライブラリーでの国際研究集会シンポジウムで発表することができた。 海の見える杜美術館の「舞の本絵本」47冊を熟覧調査することができ、2019年3月から開始される海の見える杜美術館の特別展「幸若舞曲の絵入り本とその周辺(仮題)」で、当共同研究の成果が報告できるように準備を整えることができた。 第二回の研究会では、2018年6月に予定される説話文学会大会のシンポジウム「判官物文芸研究の展望」に備えて、判官物の絵入り本を対象とした研究発表を多角的に行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度はとくに計画の変更はなく、31年3月から開始される海の見える杜美術館での特別展「幸若舞曲の絵入り本とその周辺(仮題)」において、本共同研究の成果が視覚的に発信できるよう、語り物の絵巻・絵本と関連資料の調査研究を進めたい。 また、2019年度3月にニューヨークのコロンビア大学で行われる国際研究集会に参加する予定であり、そのシンポジウムで研究代表者や分担者により、本共同研究の成果を発表する予定であり、そのための研究を進める。 国内では2018年6月16日に行われる説話文学会大会のシンポジウム「判官物文芸研究の展望」を代表の小林がコーデネイトし、本共同研究のメンバーが中心となって、これまでの語り物絵巻・絵本の研究成果の一部を発表する予定である。
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[Book] 住吉派研究2017
Author(s)
下原美保
Total Pages
325
Publisher
藝華書院
ISBN
978-4-904706-06-0 C3071
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