2019 Fiscal Year Annual Research Report
Inquiries into and Establishment of British Identity by William Camden and His Successors
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17H02317
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Research Institution | Yamanashi Prefectural University |
Principal Investigator |
高野 美千代 山梨県立大学, 国際政策学部, 准教授 (10289811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 正幸 山梨大学, その他部局等, 名誉教授 (90126649)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ウィリアム・カムデン / ロバート・プロット / 地域博物誌 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年5月には好古学者ウィリアム・カムデンの先駆的研究を進めているアンガス・ヴァイン氏を英国から招聘し、2度にわたって国際研究集会を開催した。この研究集会では、カムデンとその系譜にある好古学研究者についての世界的な研究の傾向を把握することを主な目的とした。仙台と甲府を会場にして実施したこれら国際集会においては、大学に所属する研究者だけでなく、学生や一般からの参加もあり、自由に意見を交わす有意義な機会となった。具体的には、ヴァイン氏による、ウィリアム・カムデンの研究手法や研究環境に関しての分析を共有することとなり、日本国内では得難い新たな知見を獲得することができた。 また、研究集会での議論を基に、科学者であり好古学者のロバート・プロットによる近世英国における地域博物誌の研究を深めることとなった。プロットは日本国内では注目されることがほとんどない人物であるが、オックスフォード大学アシュモリアン博物館の初代館長を務めるなど、17世紀英国においては著名な科学者であった。プロットは1670年代に『オックスフォードシャーの博物誌』および『スタフォードシャーの博物誌』を出版しているが、これら英国初の地域博物誌の誕生の背景を、執筆から出版に至るまでの事情を含めて考察した。さらには、とくに『スタフォードシャーの博物誌』に書かれた事項の具体的な分析を行った。その成果は共著論文にまとめ、学会誌に投稿した。 その他、歴史補助学に関わる文献資料の収集、精読を継続して行うほか、海外共同研究者である英国ヨーク大学グレアム・パリー教授と協働して、好古学者ウィリアム・ダグデールについての共著論文の作成を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウイルス感染拡大の影響で、海外での調査研究や、海外からの研究者を招いての共同研究が、当初予定していたようには進展しなかった部分がある。
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Strategy for Future Research Activity |
未だ不足している文献資料を調査収集して、それらを分析する作業を集中して行いたい。コロナウイルスの影響がおさまってきた時点で国際的な研究交流の再開を検討する。研究の成果を論文の形にまとめ、積極的に公開していきたい。
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