2020 Fiscal Year Annual Research Report
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17H02334
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
由本 陽子 大阪大学, 大学院人文学研究科(言語文化学専攻), 教授 (90183988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉岡 洋子 慶應義塾大学, 経済学部(日吉), 名誉教授 (00187650)
伊藤 たかね 東京大学, 大学院情報学環, 特任教授 (10168354)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 形容詞 / 形容名詞 / 複合 / 派生 |
Outline of Annual Research Achievements |
日英語の形容詞が関わる語形成について、意味的・形態的・音韻的側面から、新たな事実を明らかにし、それらを原理的に説明した。 まず、由本(2023印刷中)では、第1には、これまでの総合的複合語の成立条件とされてきた第一投射の原理は、主語が外項である英語では、語根形容詞の複合(e.g. light-sensitive)と形容詞由来複合名詞(e.g. light-sensitiveness)、また、主語が内項だと考えられる日本語形容詞においては、形容詞由来の名詞と主語との複合(e.g.「品薄」)については、有効であること、第2には、日本語には、複合形容詞・形容名詞の形成において名詞のクオリア構造を利用したもの(e.g.「幅広い」)や統語構造を基盤として形成されるもの(e.g. 「関西特有」)があり、これらについては、第一投射の原理が適用されないことを指摘した。またSugioka (2023)では、日本語の形容詞から派生する使役変化動詞(「高める、深める」など)が作る他動詞構文の一部に使役変化ではなく状態変化の解釈が可能であることについて、同様の性質を示す変化動詞(「上げる、伸ばす」など)も参照しながら考察した結果、その解釈の要因として再帰的な項構造とそれを可能にする目的語の意味的特徴が明らかになった。 伊藤(2023印刷中)では、日英語の形容詞から名詞を作る語形成(「-ity, -ness, -さ、-み」などの接辞付加)の仕組みを理論と実験の両面から捉え、初学者向けにわかりやすく説明したほか、「形容詞+名詞」の形の複合語(e.g. fast food)における意味解釈について、名詞の意味構造(クオリア構造)を用いた説明を紹介するなど、形容詞をめぐる語形成の面白さを専門家以外の読者に伝えた。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)