2018 Fiscal Year Annual Research Report
Construction and analysis of an archive of speech from overseas Japanese learners and development of web-based tools for supporting the learning of prosody
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17H02352
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
林 良子 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (20347785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯村 一弘 政策研究大学院大学, 政策研究科, 連携教授 (00401729)
阿部 新 東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 准教授 (00526270)
松田 真希子 金沢大学, 国際機構, 准教授 (10361932)
金村 久美 名古屋経済大学, 経済学部, 准教授 (20424955)
ALBIN Aaron 神戸大学, 国際文化学研究科, 講師 (60794526)
峯松 信明 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (90273333)
金 愛蘭 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (90466227)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 日本語学習者 / 韻律 / アクセント / イントネーション / 音声アーカイブ / 日本語音声 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本語学習者が、伝わりやすい自然な日本語の発音を習得するためには、アクセントやイントネーションといった韻律教育が、学習初期段階で重要であることが指摘されている。本研究では、日本語学習者の韻律データを横断的・縦断的に大規模に収集し、以下の研究を進める。 (1)世界の言語話者を対象にした学習者音声のWEBアーカイブの構築・公開、母語別の問題点の把握 (2)母語話者印象評定実験による韻律上の問題点の重要要素の特定 (3)国内外の教育現場における韻律指導、音声指導の教材作成と効果の検証 (4)WEBベースの音声学習支援ツール及び教材の開発、改善 2年目となる本年度は、(1)について昨年度末に決定した、文レベルでの韻律的特徴(イントネーション)を調査のための共通タスク文を用い、オンライン録音システム(OVR: Online Voice Recorder)を用いて、学習者音声収録をロシア、イタリア、韓国で、母語話者音声収録を東京で行なった。さらに、収集データを公開するためのアーカイブの整備も行った。(2)に関しては(1)(3)の実施状況を踏まえてすすめる必要があり、次年度に行なうこととなった。(3)に関してはミーティングを行ない、分担者、協力者らとの意見交換を行ないながら、教科書等の執筆を通して進めることができた。(4)に関しても国内外でOJAD(オンライン日本語アクセント辞書)に関するセミナーを開催し、本研究内容に関する理解と、実験への協力者を募った。またOJADやOVRのシステムを応用し、音声教育のための新しいWebツールの開発も開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
昨年度、作成した共通タスク文を使って順調に音声データ収集が進んだ。音声データ収集と同時に、学習者のアンケート調査も行うことができた。分担者、協力者らのコミュニケーションも良好で、各学会発表や研究会を通じて音声教育やデータ分析方法などに関する意見交換を行なっており、教材開発やツール開発に関しても大きな進展があったと言える。OJADの講習会も国内外において今年度21回開催し、世界各国の日本語教育者に対し日本語韻律指導に関する研究成果を伝達することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績概要で述べた(2)に関しては、より慎重にデータ分析に基づいて進める必要があるため、別の面での研究を優先して進めていく。研究分担者が国内に散在しているため、効果的な研究打ち合わせ方法を検討したい。すでにスカイプなどを使った遠隔会議、Dropboxを用いた資料共有を実施しているが、意思決定のプロセスや迅速な情報交換のために今後は一層の工夫が必要となると考えられる。海外における協力者とも引き続き連携をとり、国際的にも研究成果を発信していきたい。
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Remarks |
OJAD講習会が以下の通り開催された。 12/24カナッカレ大学(トルコ)2/16エモリー大学(米)2/18日亜学院(アルゼンチン)2/20カトリカ大学(エクアドル)2/22日秘文化会館2/24日愛気文化センター(ペルー)2/26Japan House2/27カンピーナス大学(伯)3/1日本・パラグアイ協会(パラグアイ)3/14日米協会(米)3/21ゲント大学(ベルギー)3/23ライデン大学(蘭)
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