2017 Fiscal Year Annual Research Report
A Cross-Sequential Large-Scale Study of Cognitive Mechanism on English Language Comprehension and Production
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17H02356
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
佐久間 康之 福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (90282293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 修一 福島大学, 人間発達文化学類, 准教授 (20707773)
鈴木 渉 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (60549640)
齊藤 智 京都大学, 教育学研究科, 教授 (70253242)
太田 信夫 東京福祉大学, 心理学部, 教授 (80032168)
湯澤 正通 広島大学, 教育学研究科, 教授 (10253238)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ワーキングメモリ / 音韻認識 / 音声産出 / 言語性短期記憶 / 音韻ループ / 視空間スケッチパッド / 中央実行系 |
Outline of Annual Research Achievements |
学会での研究発表に関しては、次の通りである。小中学生を対象にワーキングメモリの一部である言語性短期記憶における音韻ループの機能(日本語と英語の短期記憶容量、英語の非単語に関する音韻認識及び音声産出)及び中央実行系の注意機能に関するデータ分析を行い、全国組織の英語教育学会である全国英語教育学会の課題研究フォーラムで発表を行った。このフォーラムは二年間に及ぶ課題研究の位置づけで、科研Bの代表者である佐久間がコーディネーター兼提案者である。初年度である2017年度において「小・中学生のワーキングメモリの認知的特徴」と題して調査研究を研究分担者(齊藤智、髙木修一)と共に研究発表を行った。また、佐久間と髙木は音韻ループに関する調査研究を全国組織の学会である小学校英語教育学会で発表を行った。 研究論文に関しては、音韻ループ及び中央実行系に関して、佐久間及び髙木が査読付きの論文を発表した。 さらに、ワーキングメモリの複数のサブコンポ―ネントを探る調査プログラムの開発において、湯澤正通氏(広島大学教授)が開発した日本語版ワーキングメモリ機能の測定プログラム(HUCROW)に英語版のプロクラムを開発するため、分担者と数回にわたり会議を開催した。具体的検討内容としては、英語のワードスパンテスト及びリスニングスパンテストの刺激語及び刺激文の作成である。このプログラム開発の大型予算として、2017年度の繰り越し金から広島大学の湯澤氏へ分配した。開発に伴い、刺激材料の選定後、その刺激語及び刺激文の妥当性を検証する為、福島県内で記憶研究に関して理解のある小学校教諭と打ち合わせを行い、小学生を対象にパイロット研究として英語版リスニングスパンテストと従来の日本語版リスニングスパンテストを実施した。その結果、英語版のテストの語及び文で問題がないことが判明したので、HUCROWへの英語版の植字を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2017年度現在においては、研究計画よりも進展が遅れている。具体的には、ワーキングメモリの複数のサブコンポ―ネント(音韻ループ、視空間スケッチパッド及び中央実行系)等の各機能を探る調査プログラムの開発に関してである。理由は、測定にあたり、信頼性、妥当性、実用性の高い実施方法の検討に時間を要したことによる。しかしながら、結果として、広島大学の既存のプログラムを基盤にバージョンアップする形式をとることが妥当であるとの結論に達したものである。その他の研究内容であるワーキングメモリ内の音韻ループの研究においては、小中学生を対象に実験調査を行い、データ分析のもと、全国組織の英語教育学会及び国際心理学会で発表を行い、一定の成果を出している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績概要で記述した全国英語教育学会の課題研究フォーラムは二年間に及ぶもので、2018年度は継続発表として、「小・中学生のワーキングメモリの認知的特徴」と題して1年間の変容を研究分担者(齊藤智、髙木修一)と共に研究発表を行っていく。 さらに、英語版を加えたHUCROWをもとに実験調査を行い、日本語(母語)と英語(外国語)の言語処理におけるワーキングメモリの複数のサブコンポーネントの機能を探っていく予定である。
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Research Products
(7 results)