2018 Fiscal Year Annual Research Report
Research on cross-referential learners' corpora of English, Chinese and Japanese though international educational collaboration at secondary and tertiary levels
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17H02357
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
望月 圭子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (90219973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根岸 雅史 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (50189362)
申 亜敏 東京外国語大学, 国際日本研究センター, 研究員 (40723276)
野村 恵造 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (60172813)
赤堀 侃司 公益財団法人学習情報研究センター, その他部局等, その他 (80143626)
石川 慎一郎 神戸大学, 大学教育推進機構, 教授 (90320994)
于 康 関西学院大学, 国際学部, 教授 (90309401)
小柳 昇 東京外国語大学, 国際日本研究センター, 研究員 (40705860)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 高大連携ICT英語教育 / 英語スピーキング教育 / 学習者コーパス / CEFRによる外国語能力評価法 / 英語・中国語・日本語対照言語学 / 言語習得と脳科学 / 高校生英語能力縦断的研究 / AIと外国語教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)英語学習者コーパス班においては、高大連携・産学連携により、ICTを用いた一対一のオンライン英語スピーキング教育を開始し、「やりとり」談話データを映像・音声とともに記録し、2年間の教育効果を観察する縦断的研究を開始した。また、高大連携を深めるために、協働する長野県上田高等学校及び徳島県城東高等学校を訪問し、現場の高校教員が抱える課題、生徒たちの声に基づき、ICTを用いた英語スピーキング教育モデル及び独自のスピーキング教材を創作した。さらに、産学連携先の協力をえて、毎月50名のモニター高校生とともに、個人指導のオンライン英会話及び双方向プラットフォームを利用した英語教育プロジェクトを開始した。2)中国語学習者コーパス班においては、米国における中国語教育研究者とのネットワークを形成し、米国における6th International Workshop on Advanced Learning Sciencesでの発表を行った。3)日本語学習者コーパス班においては、超級日本語学習者のやりとり談話コーパスの文字化・タグ付けを行い、多言語を母語とする超級日本語学習者による共通語としての日本語の談話の特徴を、日本語母語話者同士の談話と比較した研究成果を、香港における国際学会The 12th International Symposium on Japanese Language Education and Japanese Studiesにて発表した。4)英語・中国語・日本語の学習者コーパスの双方向の比較研究においては、日本語母語話者が、英語・中国語のアスペクト・名詞の個別化の習得において、他言語を母語とする学習者と比較して、著しく習得が困難であること、第二言語習得における母語日本語の影響が観察され、Asia Pacific Corpus Linguistics 2018で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
第一に、英語学習者スピーキングコーパスプロジェクトでは、高大連携において、当初予定していた長野県上田高等学校の他に、徳島県立城東高等学校が、ICTを用いた英語スピーキング教育縦断的研究に参加を希望され、二つの高等学校から、3名の高校教員の協力を得て、50名の高校生1年生の英語やりとり学習者コーパスを縦断的に収集・分析することができた。 第二に、産学連携先として、産経ヒューマンラーニングの支援を得ることができた。この産学連携先の提供により、毎月1回、計24回分のオンライン英会話個人レッスンを50名分提供することができた。本科研研究チームとしては、24回分の英会話レッスンのための英語教材を独自に作成し、高校1年生50名の英語「やりとり」学習者コーパスの縦断的研究を開始することができた。このオンライン英会話のために、独自に制作した高校生向け英会話教材では、多くの「やりとり」英会話を引き出すこと、日本を英語で発信できること、多様な異文化を英語で学び、国際社会における課題について、ディスカッションができることをめざした。 中国語・日本語学習者コーパスプロジェクトにおいては、UCLAのTao Hongyin教授から、本プロジェクトで研究をすすめる日本語母語話者による中国語学習者コーパス研究に対して協働研究の依頼があり、2019年6月1日-2日に東京外国語大学で主催予定であるInternational Symposium on Diverse Approaches to Second Language Acquisition :Learner Corpora, Evaluation and Brain Sciences 2019で、米国・中国・香港・マカオ・台湾・日本の第二言語習得研究者の協働研究へと拡大することが可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
第一に、研究成果を以下の学会・国際会議にて発表予定である。英語チームは、2019年7月、The Japan Association of College English Teachers関東支部大会にて「ICTを用いた高大連携・産学連携による交流型高校英語スピーキング教育」というタイトルで研究発表を行う。8月の全国英語教育学会弘前大会においても、城東高等学校教員とともに、研究発表を応募中である。さらに、9月に開催されるThe 4th Learner Corpus Studies in Asia and the Worldでのポスター発表及びProceedingsに投稿予定である。 第二に、英語・中国語・日本語学習者コーパスの統合的研究においては、6月1日2日に国際シンポジウム(International Symposium on Diverse Approaches to Second Language Acquisition :Learner Corpora, Evaluation and Brain Sciences 2019)を東京外国語大学において主催し、米国・中国・台湾・香港・マカオ・日本の研究ネットワークを形成し、国際出版へとつなげる予定である。さらに、AIと人間の協働による外国語教育、脳科学からみた外国語教育という研究分野とのネットワーク構築も行う。 第三に、CEFR-Jによる英語スピーキング能力評価法の研究を進める。「やりとり」英語スピーキングデータの文字化・タグ付けを行い、2年間のスピーキングデータの縦断的研究を行う。 第四に、本科研で得られた英語学習者コーパス研究を、いかに高校の教育現場へ貢献させるかを研究する。高校教員と協働し、1) ICTを用いた高大連携交流型英語学習プラットフォームの充実、2) 学習者コーパス研究からの教育支援を進める予定である。
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Remarks |
(1)は、国際連携・高大連携で推進するICT英語発信能力に関わる国際ワークショップの発表内容を掲載している。(2)は、英語・中国語・日本語のライティングの学習者コーパスおよび誤用検索サイトを公開している。(3)は、研究成果である日本語と中国語の学習者コーパスに基づくアスペクトに関する論文である。(4)は、望月圭子研究室のHPで、発表論文・国際会議の要旨を公開している。
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Research Products
(55 results)