2017 Fiscal Year Annual Research Report
多言語パラレルコーパスに基づくDDLオープンプラットフォームの高度化と教育応用
Project/Area Number |
17H02366
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中條 清美 日本大学, 生産工学部, 教授 (50261889)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Anthony Laurence 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10258204)
水本 篤 関西大学, 外国語学部, 教授 (80454768)
西垣 知佳子 千葉大学, 教育学部, 教授 (70265354)
松下 達彦 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (00255259)
濱田 彰 日本大学, 生産工学部, 助教 (50779626)
小林 雄一郎 日本大学, 生産工学部, 助教 (00725666)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 教育工学 / コーパス / 外国語教育 / データ駆動型学習 / オープンプラットフォーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,いつでもどこでもだれでも,教育用例文コーパスを使って,DDL(Data-Driven Learning,データ駆動型学習)が実施可能なように,教育用コーパス・検索ツール・教材を搭載したDDLオープンプラットフォームを開発し,その活用と普及を図ることを目的とする。具体的には,平成25‐28年度科研において開発した第Ⅰ期開発版のデータ駆動型英語学習支援サイトSCoRE(Sentence Corpus of Remedial English)に基づき,1)教育用例文コーパスの増強,2)検索ツールの高度化・軽量化,3)DDL実践・効果検証・DDL普及活動の3項目の研究を行い,成果を逐次,国内外に発信することである。平成29年度の研究実績について述べる。 1) 教育用例文パラレルコーパスの増強:第Ⅰ期開発版の英語例文・日本語訳データの見直しを行い,例文の増補・改訂,および,インターフェースの改良を加えた第4次開発版SCoREを公開した。 2) 検索ツールの高度化・軽量化:SCoREツールのひとつ,「適語補充問題」ツールのログ機能を強化し,教育利用の促進を図った。さらに,ユーザの利便性を考慮し,新たに携帯端末用検索ツール「m-SCoRE」を開発・公開した。 3) DDL教材の開発・実践・効果検証:上記1),2)の教育現場への応用研究として,外国語学習者がDDLに取り組むための教材や効果検証テストを開発し,データ駆動型英語学習支援サイトSCoRE(http://www.score-corpus.org/)に収録した。当該サイトは,オープンプラットフォームであり,教師・研究者が自由に収録データをダウンロードできる。大学生および高専生を対象としたDDL指導実践授業の評価と教育効果の検証を行った。研究成果として,雑誌論文を5件公刊し,6件の学会発表を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的 1) 教育用例文パラレルコーパスの増強,2) 検索ツールの高度化・軽量化,3) DDL教材の開発・実践・効果検証をおおむね計画通りに遂行した。平成29年度の研究において,教育用例文パラレルコーパスの完成が近づくとともに,収録例文が他のコーパスの例文と比較して,教育用例文としてどの程度適切なのかを客観的に評価する研究の必要性を認識した。そこで平成30年度に,その評価研究を本格化させる予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は,1) 教育用パラレル例文コーパスSCoRE第4次開発版の見直し,改訂,新規例文の増強を行う。また,英語授業にDDLを取り入れる上で,難易度やユーザビリティ等の観点から,SCoREが適切な英語例文を収録しているかどうかの評価研究を進展させ,成果を公刊する。2) 検索ツールについて,新規に開発した携帯端末用検索ツールに空所補充問題等のツールを追加装備して利便性の向上を試みる。3) DDL実践について,SCoREの携帯端末版ツールを教育現場で試用し,実用化に向けて改善点等のフィードバックを収集する。DDLの普及活動について,DDLに興味・関心のある研究者で構成されるDDL SIG を組織し,多様なDDL活用法やDDL研究の成果を共有するとともに,国内で広く一般にDDLが普及するようにシンポジウムを12月に開催予定である。
|
Research Products
(16 results)