2018 Fiscal Year Annual Research Report
Waqf and Donation in Asia: A Joint International Study
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17H02381
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Research Institution | The Toyo Bunko |
Principal Investigator |
三浦 徹 公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (00199952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 大介 早稲田大学, 文学学術院, 准教授 (20508907)
林 佳世子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (30208615)
磯貝 健一 公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (40351259)
大河原 知樹 公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (60374980)
大月 康弘 一橋大学, 大学院経済学研究科, 教授 (70223873)
岸本 美緒 公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (80126135)
高橋 一樹 武蔵大学, 人文学部, 教授 (80300680)
近藤 信彰 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (90274993)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 寄進 / ワクフ / 慈善 / 宗教 / 相続 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)国内研究集会 「日本と中国との比較から」2018年9月20日 報告1神野潔氏(日本法制史)「鎌倉御家人の寄進状と「仏陀法」」報告2松原健太郎氏(中国法制史)「ワクフと族産:『南アジア・東南アジアのワクフ』研究集会(国際イスラーム大学マレーシア)に参加して」 2)国際ワークショップ Encounter of Comparative Studies on Endowment in Europe and Japan 寄進の比較研究の出会い:ヨーロッパと日本 2019年2月17日 ベルリン・フンボルト大学の比較研究プロジェクト(2012-17)の中心メンバー3名(Tillmann Lohse, Ignacio Sanchez, Zachary Chitwood)らを招聘し、比較研究の方法と展望をめぐって、集中的な討議を行った。当該のプロジェクトはその成果として、『中世社会における寄進百科』(3巻、ドイツ語、2017)を刊行し、19の観点をたて(定義、研究動向、類型、時期区分、記述資料、物質資料、宗教上のメリットと一時的願望、記念と儀礼、慈善と教育、寄進財と収益、寄進者、受益者、組織、社会的地位、ジェンダー、空間、社会的変化、批判と改革と流動化、文化交流による刷新と模倣)、それぞれラテン・キリスト教(西欧)、ギリシア正教(ビザンツ)、ユダヤ、イスラーム、インドの地域(文化世界)における状況が論述され、各巻末には研究代表のMichael Borgolte教授によるIntercultural Perspectives(英語)という論考がつく。このプロジェクトをうけ、専門誌Journal of Endowments Studiesが発刊され、招聘者3名は編集委員である。三浦は、「財の処分・継承」という観点から、相続を含めて、より広く寄進(特に不動産)の意味と機能の比較を提起した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アジアからの視点については、日本中世の独自な法理「仏陀施入の地悔返すべからず」のもつ社会的意味について日本法制史の専門研究者を囲んで議論を行った。ベルリン大学の寄進研究プロジェクトの中核メンバーを招聘し、比較研究の方法と方向についてワークショップを開催し、寄進の歴史的起源を論じるよりも、社会的機能の比較に重点を置くべきこと(各地域の寄進は起源が異なっていても共通点をもつこと)、また、キリスト教世界(西欧やビザンツ)の研究者からみても、日本史の寄進が共通の論点をもつことが確認された。地域や時代を超えた比較研究の意義が、共有されつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
2019-20年度に、文化間比較(日本、中国、インド、イスラーム地域、ヨーロッパ)の国際集会を開催する(テーマは、財の継承、寄進の正当化、機能、変容)。2019年度は、海外の研究機関と連携し、海外(候補地はシンガポールまたはイスタンブル)で開催する方向で、連携しうる研究者と連絡を開始している。
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Research Products
(11 results)