2020 Fiscal Year Annual Research Report
近現代日本における病者・療養者の生―現場での実践、現場からの思索―
Project/Area Number |
17H02384
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
石居 人也 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (20635776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 安成 滋賀大学, 経済学部, 教授 (10272775)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 日本史 / 近現代史 / ハンセン病 / 隔離 / 療養 / 生 / 伝染病/感染症 / covid-19 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の4年目で、最終年度でもある2020年度は、covid-19の感染拡大によって、従来とは研究の前提条件が大きく変わり、研究計画も軌道修正を余儀なくされた。とりわけ、本研究にとって重要な「現場」、すなわちハンセン病の療養所に直接赴けなくなったなかで、どのように研究を進めてゆくのか、模索を続けた1年だった。打開策としては、既撮影の歴史資料(以下、史料)など、従来の調査の成果を積極的に用い、また年度途中より利用可能となった国立ハンセン病資料館や国立国会図書館などでの調査や、オンラインミーティングツールを活用した打ちあわせ・研究会を実施しながら、目録の作成、論文の執筆、学会報告の準備などを進め、その成果を発表した。 おもな成果として、以下の3点を挙げることができる。 1点目は、本研究のテーマとも関わるcovid-19の感染拡大とそれが社会にもたらしたことを念頭におきながら、従来の調査・研究の成果をあらためて精査・活用して、伝染病/感染症とむきあう人や社会のありようを問いなおす研究を進め、それを論文や報告のかたちで発表したことである。 2点目は、2016年のシンポジウム以降、沖縄愛楽園交流会館で定期的に研究会を開催しながら刊行を目指してきた論集に関して、新たな試みをおこなったことである。対面での研究会が難しくなったため、オンラインで個々の執筆者と綿密な意見交換をおこなう方針に切り替えた。これにより、時間は要しているが、より質の高い論集の完成が見通せるようになった。 3点目は、大島青松園の文化会館旧蔵書の目録を、既撮影の画像を用いて進めたことである。現地調査が叶わず、多くの困難が生じたが、可能なかぎり作業を進めることができた。現地調査が再開できるときに備えて、確認すべきポイントも整理している。目録の完成まで、いましばらくかかるが、そのぶん精度をあげることができるものと考えている。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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