2019 Fiscal Year Annual Research Report
学際的手法による中・近世日本のサルファーラッシュ・シルバーラッシュの比較総合研究
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17H02394
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Research Institution | Nagoya Gakuin University |
Principal Investigator |
鹿毛 敏夫 名古屋学院大学, 国際文化学部, 教授 (60413853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 晋次 神戸女子大学, 文学部, 教授 (20403024)
伊藤 幸司 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (30364128)
中島 楽章 九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (10332850)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 硫黄 / 銀 / 流通 / 硝石 / 学際研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
3年目の今年度も、5分割した個別考察班を基本単位とした研究ユニットをもとに調査・考察を進めた。また、これまで同様、班相互の調査連携と分析結果の比較・総合を重視するための「重点共同調査」も実施した。 まず8月に、メキシコのグアナファトを訪ね、スペイン時代の銀鉱山遺跡と銀流通の痕跡を現地調査するとともに、プエブラ栄誉州立自治大学の研究者との共同研究会を開いて、本共同研究の目的・意義・現状を紹介した。また、9月には、「中・近世の硫黄史―豊後硫黄の産地と行方―」と題した研究会・巡見を大分県九重町・由布市で開催し、博多遺跡における中世初頭の硫黄の出土状況や、17世紀東アジア海域での硫黄貿易についての研究報告と議論を行い、くじゅう硫黄山・塚原硫黄山(伽藍岳)の硫黄鉱山遺跡の現地調査、近世初頭の「硫黄運上銀」関係古文書の分析を実施した。 研究の進展に伴って、研究協力者の数も増え、考察分野も多様化しており、まさに学際研究の様相を呈してきたが、各ユニットの進捗状況の調整と全体統括には特に留意したい。 最終年度での成果集約を見据え、今年度の研究会議では、そのスケジュールを確定した。2020年夏までに代表者・分担者・協力者の計14名で研究成果および経過を文章化し、代表者がそれを集約する。現状では、①硫黄と銀の世界史、②硫黄山・銀山の考古学、③サルファーラッシュ・シルバーラッシュの産地と社会構造、の3構成にまとまる見込みで、その最終成果は2021年2月に公刊する予定である。また、同年3月には、その成果を一般向けに紹介する公開歴史シンポジウムを九州の地で開く準備も進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各個別考察班によって調査・研究の進み具合に差があるものの、全体的な調整で補える範囲である。また、最終年度の成果集約に向けてのメンバーの合意と準備が進みつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度の研究成果のまとめに向けて、各個別考察班の研究集約の推進を図っていく。2020年夏までの研究成果の文章化については不測の事態も想定されるが、補助調整を進めながら臨機応変に対応していく予定である
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