2017 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアの連関と比較からみた中国戦時秩序の生成と言説の様態
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17H02403
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
笹川 裕史 上智大学, 文学部, 教授 (10196149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 真 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (20316681)
泉谷 陽子 フェリス女学院大学, 国際交流学部, 准教授 (20773485)
水羽 信男 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (50229712)
松田 康博 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (50511482)
三品 英憲 和歌山大学, 教育学部, 准教授 (60511300)
金子 肇 広島大学, 文学研究科, 教授 (70194917)
丸田 孝志 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (70299288)
金野 純 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 准教授 (80553982)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 中国近現代史 / 東アジア史 / 戦時秩序 / 比較史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の最大の研究実績は、研究代表者(笹川裕史)を編者とする学術書『戦時秩序に巣喰う「声」―日中戦争・国共内戦・朝鮮戦争と中国社会ー』を、2017年8月に創土社から出版したことである。同書は、2016年度において終了した文部科学省科学研究費補助金・基盤研究(B)「東アジア諸地域の比較からみた戦時戦後中国の社会秩序と政治文化」(研究代表者は同じく笹川裕史)の最終成果報告の一つであると同時に、本研究の出発点ともなる重要な研究成果である。ここには、本研究の研究代表者、研究分担者、連携研究者のほとんどが、本研究課題と密接に関連するテーマで研究論文を掲載している。 そして、同書では、中国の戦時秩序が、日中戦争、国共内戦、朝鮮戦争という繰り返される大規模な戦争を経過する中で徐々に形成されたこと、その特質の解明には、東アジア諸地域との連関や比較の視点が欠かせないこと、そして、方法論としては社会各層の多種多様な言説の分析が一つの手がかりとなりうることが、初歩的かつ実証的に提示されている。今後における本研究は、同書を基礎にして、その内容を深め、拡充していく方向で進められていくことになろう。 また、年度当初の計画にしたがって、研究代表者、研究分担者は、それぞれの役割分担にもとづいて海外での史料調査・収集を実施し、その成果報告を含む年3回の研究例会(2017年6月・12月・2018年3月)を上智大学において開催することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記「研究実績の概要」欄に記載したとおり、本研究の出発点となる重要な学術書を刊行することができ、海外での史料調査・収集、年3回の研究例会を年度当初の計画通りにおおむね順調に実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究については、本年度の進捗を踏まえ、計画調書に記載したとおりに実施していく。すなわち、2018年度は、役割分担にもとづく海外史料調査および年3回の研究例会を実施し、その過程で、2019年度に予定している国際シンポジウムの開催に向けて準備作業を推し進めていく。
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Research Products
(35 results)