2018 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアの連関と比較からみた中国戦時秩序の生成と言説の様態
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17H02403
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
笹川 裕史 上智大学, 文学部, 教授 (10196149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 真 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (20316681)
泉谷 陽子 フェリス女学院大学, 国際交流学部, 准教授 (20773485)
水羽 信男 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (50229712)
松田 康博 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (50511482)
三品 英憲 和歌山大学, 教育学部, 教授 (60511300)
金子 肇 広島大学, 文学研究科, 教授 (70194917)
丸田 孝志 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (70299288)
金野 純 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 准教授 (80553982)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 中国近現代史 / 東アジア史 / 比較史 / 戦時秩序 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、年度当初の研究計画にしたがって、研究代表者、研究分担者、研究協力者がともに参加する年3回の研究例会を開催した。すなわち、第1回は7月1日、第2回は12月15日、第3回は翌2月23日であり、いずれも会場は研究代表者の職場である上智大学文学部の教室を使用した。そのなかで特筆すべき点は、本科研の研究課題が重視する比較史的視野に沿って、日本史および西洋史の戦時社会史研究の専門家を報告者に迎えて、活発な討論を行なったことである。具体的にいえば、日本史では総力戦体制と地方都市の発展過程、西洋史では第2次世界大戦中のフランスの対敵協力政権の実態とその評価について貴重な示唆を得ることができた。いずれの事例も、中国における戦時秩序の特質を考えるうえで有効な素材にほかならない。 また、研究代表者、研究分担者は、全体の共通テーマを踏まえ、それぞれの役割分担にもとづいて海外での史料調査・収集を実施した。その成果報告は、上述した研究例会において行ない、有益な研究情報の交換ができた。 さらに、次年度以降に本格化する論文集の編集・刊行に向けた構想発表も、研究例会の一部に組み入れた。本年度中に、科研メンバー3人の構想報告を実現した。 このほか、本科研の一環として進めている新華社『内部参考』という内部文書(香港中文大学所蔵)の収集とその共有化も一定程度進展した。この膨大な史料は、本科研の研究課題を実現するための重要な基盤となろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記「研究実績の概要」欄に記載したとおり、海外調査、年3回の研究例会、さらに本科研の最終年度にあたる次年度の課題(国際シンポジウムの開催、論文集の編纂・刊行)に向けた準備作業が、さしたる支障もなく実施できたため、「おおむね順調に進展している」といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の課題は、次年度において国際シンポジウムを開催することと論文集の編纂・刊行に向けた準備作業を本格化することである。国際シンポジウムの共通テーマ、報告者の人選、日程など詳細はなお確定するにはいたっておらず、本年度の早い時期に取り組む必要がある。論文集の編集・刊行に向けた構想報告も着実に継続しなければならない。この二つの課題が、実質的に本科研の締めくくりとなる。
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Research Products
(20 results)