2018 Fiscal Year Annual Research Report
Investigating literal information from the remains and relics of Ostia Antica applying new technologies for optical 3D shape acquisition
Project/Area Number |
17H02410
|
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
豊田 浩志 上智大学, 文学部, 教授 (20112162)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 要一 奈良大学, その他部局等, 名誉教授 (00090936)
坂口 明 日本大学, 文理学部, 教授 (10153876)
渡部 展也 中部大学, 人文学部, 准教授 (10365497)
堀 賀貴 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (20294655)
池口 守 久留米大学, 文学部, 准教授 (20469399)
鷲田 睦朗 神戸市外国語大学, 外国学研究所, 非常勤講師 (20804628)
江添 誠 神奈川大学, 外国語学部, 講師 (80610287)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | Ostia Antica / 落書き / レザースキャニング / 貨幣 / 衛星画像 / 遺物の3Dモデル生成 / 文字情報 / アンフォラ |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度に続き、各研究分担者はそれぞれ現地調査を行い、着実に成果を収集することができた。 豊田と研究協力者の奧山・ゲイルは、主としてオスティア・アンティカの家屋の壁面に残存している落書きを調査し、かなりの新発見を見つけることができた。それと関連平行して西山は目視では判然としない絵画描線を赤外線写真で鮮明に映し出す作業の比較検討により、赤外線写真の可能性を検討した。 堀は、継続的に遺跡全域での3Dレザー測量を行ってきており、今回でほぼ全体を網羅することができた。同時に、部分的に再測量をおこなう修正段階に入っている。渡部は、当初予定していたドローンによる中高度での遺跡戦域の実写は、残念ながら現段階ではできないことが判明したが、高高度の人工衛星画像での地下埋蔵遺跡の調査の前段階として、遺跡全体の位置関係を視認を完了した。 坂口は本遺跡の経済と社会の実態解明のために、タベルナとスコラに関するデータの収集・分析に従事し、データの収集はほぼ終了し、入手した新刊の仏語著書の読破とともに、これから分析作業に進行する。同様に池口は、オスティアの港湾施設の検討によりとりわけ小麦の貯蔵量の算定を精緻化する作業を行ってきたが、英国調査隊による探査により新たに倉庫群が発見された事を受け、倉庫面積の上方修正に取りかかる。 江添と鷲田は、それぞれオスティア・アンティカ遺跡に関わる貨幣・土器上の文字情報の収集・分析に目処をつけるべく、現地遺跡管理事務所専門研究員との接触を試みている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで調査実績のある3Dレザーによる調査、および壁面の落書き調査は順調に進んでおり、早晩それなりの成果を公表できる段階にある。 今回、予備調査的に導入することを立案していたドローンを利用しての中高度からの埋蔵遺跡調査は、最初の打診では前向きだった現地考古遺跡管理局が、ローマ空港の近隣という立地から当該官庁の許可が下りる見込みがない、との判断で、現段階では不可能となった。それで、担当分担者には人工衛星画像を利用する視点での調査をお願いしている。 また、今回の新調査対象として土器や貨幣を設定していたが、予想以上に知的所有権問題が複雑で、予定していた悉皆調査には具体的にまだ着手できていない状況にある。現状では、現地研究者が見せてくれる保存状態のいいものに限られており、これはお互いの信頼関係を深めていくことで状況を打開するしかないだろう。
|
Strategy for Future Research Activity |
調査実績のある3Dレザーによる調査、および壁面の落書き調査については、これまでの作業の補正調査を行い、可及的速やかに研究成果公表をめざす。とりわけ後者に関しては、HPでのデータベース公表を考えている。 出土遺物の調査は、多少対象を変えて実施することで、現地遺跡管理局の担当者との人間関係を密にし、将来の研究継続への希望を繋ぎたい。 すでに基本調査がおおむね完了している部門では、内外における学会発表・論文公表を行うと同時に、HPにそれら諸情報を邦文のみならず英語・イタリア語でアップしてゆく。
|
Research Products
(19 results)