2019 Fiscal Year Annual Research Report
東北地方における古墳時代中期埋葬施設と埋葬人骨の研究
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17H02418
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
辻 秀人 東北学院大学, 文学部, 教授 (30244966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 敏夫 公益財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, センター長 (30241269)
奈良 貴史 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (30271894)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 灰塚山古墳 / 古墳埋葬人骨 / 核DNA分析 / 古墳時代中期埋葬施設 / 分離式神獣鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、3年計画の最終年度にあたり、補足的な分析と資料調査を行うとともに、研究成果をとりまとめ、成果をシンポジウム等で公表するとともに、研究成果報告書「東北地方における古墳時代中期埋葬施設と埋葬人骨の研究」を刊行した。 補足的な分析は、灰塚山古墳出土人骨の次世代シークエンサーを用いた核DNA分析と人骨の年代を確定するための放射性炭素年代測定(AMS法)である。 核DNA分析は、費用の関係でドラフトシークエンス(数回程度の読み取り)にとどまったが、約31億の遺伝子情報のうち90%を読み取ることができた。古墳時代人骨ではこれまでで最も良好な遺伝子情報となった。遺伝子情報の解析は今後の問題となるが、現段階で灰塚山古墳出土人骨の遺伝子は弥生人や、現代人に近く、縄文人の要素も一部に加わっていることが判明した。放射性炭素年代測定(AMS法)は複数の資料を実施したが、概ね安定しており、その精度が確認された。ただ、その結果は考古学的な年代とやや違いがあり、その理解が今後の課題になっている。ただし、測定結果の比較から灰塚山古墳第1主体部が第2主体部より古く、時間差があることが判明した。 灰塚山古墳出土資料に九州地方地下式横穴出土資料との共通性、関連が見られることから宮崎県域の地下式横穴出土資料、北部九州地域の資料調査を行った。特に灰塚山古墳出土分離式神獣鏡は地下式横穴資料ときわめてよく似ており両者の関係が認められた。 研究成果は研究成果報告書「東北地方における古墳時代中期埋葬施設と埋葬人骨の研究」にとりまとめた。他に宮城県考古学会主催シンポジウム、東北学院大学博物館企画展「開・首長の棺」、各種講演会で研究成果を社会に広く伝える活動を行った。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(23 results)