2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17H02435
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田辺 明生 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (30262215)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三原 芳秋 一橋大学, 大学院言語社会研究科, 教授 (10323560)
常田 夕美子 国立民族学博物館, グローバル現象研究部, 外来研究員 (30452444)
松嶋 健 広島大学, 人間社会科学研究科(社), 准教授 (40580882)
藤倉 達郎 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (80419449)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 宗教 / 生態学 / 精神 / 存在論 / 比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、1)本研究グループを核とした共同フィールドワークを実施し、2)内外の研究者を加えて学際的な議論を交わすことのできる研究会や国際ワークショップを開催することを計画していた。本年度の共同フィールドワークは、スペインおよびインドにて行う予定であったが、新型コロナウイルス感染症が収まらず、フィールドワークは実現できなかった。よって、代表者と分担者のそれぞれの個人研究を進め、メールやZoomなどで意見や情報の交換を行った。 本研究は、環境に拡がる無限の〈実在〉を、人間がいかに経験し、それを自己の生き方にいかに折りこんで宗教的主体を構築するかを「宗教の生態学」の視点から解明し、日印欧の「精神の存在論」を通文化的かつ比較的な視点から理解することに目的がある。 今年度は関連文献を収集し、比較的な視座から、文献研究を行った。A.「宗教空間の構造」、B.「宗教実践のかたち」、C.「宗教経験の感覚」、D.「宗教言説の構築」の分析に従事した。宗教空間のありかたは、礼拝、巡礼、修行の実践と経験を条件付け、さらにそれらの実践と経験は宗教言説の構築と密接な関係があるために、これらの研究を通じて、宗教の空 間・実践・経験・言説の関わりを理解し、宗教的現象が生成する身体と環境の相互作用のありかたについて論じることが可能となる。これにより、宗教現象のメカニズムを生態学的アプローチから解明し、日印欧の諸地域における精神の存在論の特徴を比較的視点から明らかにするための基礎的枠組を理論的に構築することをめざした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度においては、、新型コロナウイルス感染症のために海外フィールドワークを断念せざるを得なかっただけでなく、海外研究者の招聘はかなわず、また対面での研究会もできなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症のために海外共同フィールドワークの計画が立たない。可能になった段階で海外共同フィールドワークを行う。それまでは文献研究と既存のフィールドデータをもとに、理論研究と成果発表に努める。
|
Research Products
(15 results)