2019 Fiscal Year Annual Research Report
生活変化/生活改善/生活世界の民俗学的研究―日中韓を軸にした東アジアの比較から
Project/Area Number |
17H02438
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Research Institution | Seijo University |
Principal Investigator |
小島 孝夫 成城大学, 文芸学部, 教授 (60286903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
周 星 愛知大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (00329591)
金子 祥之 跡見学園女子大学, マネジメント学部, 助教 (10758197)
金 賢貞 亜細亜大学, 国際関係学部, 准教授 (20638853)
及川 祥平 成城大学, 文芸学部, 専任講師 (30780308)
竹内 由紀子 女子栄養大学, 栄養学部, 准教授 (40587987)
加賀谷 真梨 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (50432042)
田村 和彦 福岡大学, 人文学部, 教授 (60412566)
宮岡 真央子 福岡大学, 人文学部, 教授 (70435113)
渡部 圭一 滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部, 主任学芸員 (80454081)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 生活変化 / 生活改善 / 生活世界 / 東アジア / 民俗学 / 比較研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間の最終年度にむけて、日本における生活改善諸活動の展開に関するデータベース作成作業と個別研究課題に関する現地調査を実施した。2019年度は研究計画終了の前年度にあたるため、年度末に研究成果の統合にむけての協議が実施することを前提に調査研究活動を行った。2018年度に実施した個別研究の進捗状況を共有することで、次の研究活動を行なった。 第二次世界大戦後に日本国内で展開した生活改善諸の展開とその地域差等を検証することとを目的とした生活改善諸活動データベース作成作業については、関東地方を含む東日本を小島孝夫、滋賀県を中心とした関西地方を渡部圭一、福岡県を中心とした九州地方を田村和彦が担当した。併せて、小島孝夫・渡部圭一・田村和彦・金子祥之・及川祥平・竹内由紀子・加賀谷真梨は沖縄県を含む日本国内の生活改善諸活動に関する資料収集や追跡調査を実施した。これらの作業により、日本国内の生活改善諸活動の展開と、それらの対象となる地域や集団により受容する事項や受容する主体に差異が見られることが明らかになった。 日本の生活改善諸活動と周辺の国々との関係や影響を明らかにするための国外の調査については、中国を周星、大韓民国を金賢貞、台湾民国を富岡真央子が担当し、現地での関係資料収集と関係調査を実施した。 国内外の現地調査から明らかになってきたことは、生活改善諸活動によって社会の平準化を図ろうとした社会的な試みが、その後に展開された高度経済成長的な活動により個人的な努力によって解決されていく傾向がみられた。 2019年度末に予定していた二つの研究方法から得られた研究成果の統合・検証のための研究会は新型コロナウイルス感染症が急速に感染範囲を拡げ始めたため、メール等での情報交換や協議という方法をとらざるを得なくなった。そのために、研究成果の統合・検証のための機会は次年度に持ち越すことになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度の研究活動については、新型コロナウイルス感染症の拡大が顕在化した2020年1月までは順調に推移した。 夏季休暇期間を中心に実施した国内外の調査活動はほぼ計画どおりに実施された。 一方で夏季調査で得たデータを基に補充的な調査を計画していた冬季の調査については、国内調査では調査の実施計画や方法を再検討する必要が生じ、国外調査については調査計画自体を断念するということが発生した。 生活改善諸活動に関するデータベース作成作業においても、入力作業を担当した大学院生たちが入構制限の対象となることになり、年度末にむけて行う予定であったデータベース入力原稿の校正作業等が滞ることになった。 年度末に計画していた研究会の開催も中止されることになり、今後の研究計画の遂行にむけて、メール等で協議・検討を行うということに忙殺され、研究成果の統合・検証作業の実施にむけての現実的な準備ができなかったということが、今年度の研究計画から次年度に持ち越されることになった。
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Strategy for Future Research Activity |
本計画は次年度が最終年度となるため、新型コロナウイルス感染症の感染が収束されなければ、当初計画していた研究方法の再検討や研究成果の取りまとめ方法についての転換を考えなければならなくなる。 国内を調査対象地としている個別研究については、制限を設けながらということにはなるが、調査対象地や対象集団との協議により、調査研究活動の継続は可能であろうと考える。このことについては、積極的な展開を模索したい。 一方、国外での調査研究活動については、国外への移動がさらに制限されることになることが想定されるため、国外調査の実施が困難になることを前提に対応策を考えなければならないが、国内外の感染状況を勘案しての判断となるため、研究期間内での検証作業が困難になることも含めて、収集データの多角的な分析をすすめていくことにしたい。 生活改善諸活動データベース作成作業についても入力作業が中断しており、それと連動した当該地域での検証作業も中断している状態が続いていることから、こうした状態が続くことを念頭に対象地域の制限を設けて、既存作業データでの完結をめざす方法を検討しなければならないと考える。
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Research Products
(12 results)