2018 Fiscal Year Annual Research Report
クラウドソーシングの進展と社会法の近未来-クラウドワーカーの法的保護の検討
Project/Area Number |
17H02460
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
浜村 彰 法政大学, 法学部, 教授 (10208598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沼田 雅之 法政大学, 法学部, 教授 (30580972)
竹内 寿 (奥野寿) 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (10313058)
米津 孝司 中央大学, 法務研究科, 教授 (30275002)
鈴木 俊晴 茨城大学, 人文社会科学部, 准教授 (50757515)
石田 眞 早稲田大学, 法学学術院(法務研究科・法務教育研究センター), 名誉教授 (80114370)
井川 志郎 山口大学, 経済学部, 講師 (90804344)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ヒアリング / ワークショップ / アンケート調査 / 雑誌論文 |
Outline of Annual Research Achievements |
クラウドソーシングの実態を把握するため、前年度に引き続き、ヒアリング調査の実施を行った。まずは、クラウドソーシング事業者へのヒアリングを継続して実施した(2社)。実施した2社は、我々研究チームが「特化型」と位置づけているクラウドソーシング事業者である。また、新たにワーカーへのヒアリングを実施した。ヒアリングをしたワーカーは、通訳・翻訳・反訳業務に従事している者、および、Uber Eatsの配送に従事しているワーカーである。 アンケート調査を実施した。数度の研究会を開催し、アンケート項目を作成。外部の専門家の意見を踏まえながら、アンケート内容をとりまとめた。とりまとめられたアンケート項目をもとに、2019年2月~3月にかけて、ランサーズ社を通じてクラウドワーカーを対象とした「プラットフォームの役割およびクラウドワーカーの意識調査」を実施した。その結果、1862件のアンケートの回収ができた。この分析は次年度への課題となる。 今年度も、毎月1回の頻度で研究会を実施した。上記アンケート項目の検討のほか、外国論文や外国判例の検討を重ねて、研究課題に対する知見を高めていった。また、研究メンバーの一部により座談会を開催し、その内容は雑誌記事として掲載された(毛塚勝利ほか「クラウドワーク研究の現段階」季刊労働法262号116頁(2018年))。 昨年度および今年度の研究成果をもとに、国際ワークショップを開催した(法政大学ボアソナード記念現代法研究所の協力のもと開催)。この国際ワークショップは、2018年3月25日に、アン・デービス(オックスフォード大学教授)ほかをパネラーとして、「比較からみた<プラットフォームエコノミーと労働法> ―日本とイギリス―」と題して開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度には、海外のクラウドソーシング事業者のヒアリングなどを計画していた。しかし、ぎりぎりになって先方の事情で実施できないことになった。計画全体では、海外の調査も重要な課題と位置づけており、次年度での挽回を期す。
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Strategy for Future Research Activity |
海外のクラウドソーシング事業者へのヒアリング等、海外実態調査の実施を推進する。また、研究成果のとりまとめに着手する。たとえば、日本労働法学会におけるシンポジウムへのエントリー等を検討することになる。 並行して、研究成果をとりまとめた書籍の刊行を目指す。科研費だけではその費用を賄えないため、他の研究機関からの援助等を得るよう努力する。 研究最終年度になるため、これまでの研究を総括する。学問的にまだ課題があるとの結論に至れば、さらなる科研費プロジェクトを組織するなど、研究の継続を検討することになる。
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Research Products
(8 results)