2018 Fiscal Year Annual Research Report
Global populism in comparative perspective
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17H02477
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
水島 治郎 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 教授 (30309413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 晃 北海学園大学, 開発研究所, 特別研究員 (30113583)
中北 浩爾 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (30272412)
西山 隆行 成蹊大学, 法学部, 教授 (30388756)
野田 昌吾 大阪市立大学, 大学院法学研究科, 教授 (50275236)
古賀 光生 中央大学, 法学部, 准教授 (50645752)
今井 貴子 (小関貴子) 成蹊大学, 法学部, 教授 (60552859)
作内 由子 獨協大学, 法学部, 准教授 (60631413)
伊藤 武 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (70302784)
中山 洋平 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (90242065)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ポピュリズム / 反EU / 既成政党の弱体化 / ブレグジット |
Outline of Annual Research Achievements |
グローバルなポピュリズムの展開を共同で検討する本研究は2年目に入ったが、同年度内にはイタリアで「同盟」・五つ星運動からなるポピュリズム連立政権が成立し、反移民・反緊縮を掲げてEUに批判的な姿勢に転じるなど、各国でポピュリズムの拡大が続いており、本研究の社会的意義を示すものとなった。そこで本年度は、この国際情勢の展開を踏まえつつ、以下のように多様な成果を挙げることができた。第一は資料収集・情報収集の継続。2017年のオランダ・フランス・ドイツ・オーストリアなどにおける総選挙や大統領選挙を通じ、EU各国では既成政党批判、 EU批判を軸とするポピュリズム政党の進出が顕著にみられたことから、選挙関連の一次資料の収集、そしてこれらの選挙をめぐる多数の記事を収集し、分析を行った。特にブレグジットに揺れる英国での調査では、元財務相ブラウン氏とのインタビューも実施し、貴重な知見を得ることができた。第二は研究会開催を通じ、ポピュリズム概念をめぐる検討と各国比較を行ったこと。近年のポピュリズムの特徴として、「反EU」モメントの重要性が増加していることに注目し、その反EU言説の特徴と変容を分析した。また2019年実施予定のヨーロッパ議会選挙をにらみ、「EUレベルの「反EU」連合」の成立の可否も検討した。第三は、書籍刊行の具体的な準備。本共同研究は、すでに有力学術出版社側の強い関心の対象となり、インテンシブな協議を経て、刊行の方向が内定している。そこで本年度は、書籍の章立て、テーマの分担、全体構成をめぐって研究メンバー、出版社間で議論を重ね、全体の枠組みも完成した。2019年度中に原稿の締め切りを設けており、原稿が集まり次第早期に出版することを予定している。日本でも強い注目を集めるポピュリズムについて、日米欧を比較する共同研究の成果が広く発信されることで、学術的・社会的に大きな貢献が期待できよう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
4年計画の本研究の2年目が終了した時点で、共同研究のまとめとしての論集の計画がほぼまとまり、出版社からの確約も得ることができた。次年度は提出原稿の取りまとめ、読み合わせ、出版社との詰めの協議を経て、次々年度の刊行に至ることが確実となっている。研究メンバーの資料収集、現地調査が順調に進行したこと、イギリスより関連テーマの研究者を招聘して研究会を設け、知見を交換するなど活発に活動できたことの成果といえるだろう。 なお今年度は、水島『ポピュリズムとは何か』の中国語訳も刊行されるなど、想定を超えて当研究グループの研究成果の国際発信が積極的に進められた。
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Strategy for Future Research Activity |
EU枠内における反EUポピュリズムの比較検討、ポピュリズム概念整理などの基礎作業は予定通り終了し、次年度以降は論集の刊行に向けて研究の取りまとめに全力を注ぐこととなる。他方、次年度はイギリスのEU離脱問題、ヨーロッパ議会選挙などの波乱も予測されており、事態が目まぐるしく変動する中で、いかに目前の動向にとらわれない研究の視座を確保するかが重要と思われる。論集の各原稿の作成にあたっては、歴史的視野を必ず踏まえたうえで現状の叙述、分析を行っていくことが重要になるだろう。
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Research Products
(16 results)
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[Book] 現代ベルギー政治2018
Author(s)
津田 由美子、松尾 秀哉、正躰 朝香、日野 愛郎
Total Pages
282
Publisher
ミネルヴァ書房
ISBN
9784623081219
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