2019 Fiscal Year Annual Research Report
国際安全保障環境に対する科学技術イノベーションの影響:プロセスと規定要因の解明
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17H02494
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
佐藤 丙午 拓殖大学, 国際学部, 教授 (30439525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
明石 純一 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (30400617)
福井 康人 広島市立大学, 付置研究所, 准教授 (40644315)
齊藤 孝祐 横浜国立大学, 研究推進機構, 特任教員(准教授) (40721436)
松村 博行 岡山理科大学, 経営学部, 准教授 (60469096)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 国際関係論 / 安全保障論 / 通常兵器 / 軍備管理軍縮 / 人の移動 / 技術移転 / 安全保障貿易管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、新技術の安全保障に及ぼす影響の範囲の広さを考慮し、統合的な結論を導くのではなく、各共同研究者の専門分野での知見を伸ばし、研究成果の波及効果の拡大を目標とした。新技術の影響が、国際社会の意思決定のプロセスに影響を与える実態を図るうえで、CCWの無人兵器システム規制の条約交渉に関わると共に、それら技術を持つ民間企業やアカデミアの議論に参加し、そこでの規範の構成方法に触れた。 新技術に関する規範構築のプロセスは、既存の規範構造のプラットフォームの上で、マルチ・ステークホルダーによる集合的な意思決定として実施される。その意思決定の場の公開性は高く、アクター間の主張の相違を超えた相互協力の中で新たな規範が構成される傾向にある。 同時に、新技術が各国の安全保障政策に及ぼす影響においても、マルチ・ステークホルダーによる集合的な意思決定の傾向が見られる。これは、米国の国防イノベーション・ボード(DIB)の人的構成、その政策提言構築に関わるステークホルダーの多様性、そして政策提言の政策形成における執行においても、共通の傾向が見られる。 マルチ・ステークホルダーによる集合的な意思決定における課題は、技術を保有するアクターが包括的に意思決定に関わる必要性があるのに対し、安全保障上の理由から、排他的あるいは特定の国家や集団を遮断する必要があることである。新技術に安全保障上の可能性が指摘される中で、中国やロシア及びその関係するアクターが排除され、集合的な政策決定や規範形成における役割は限定される。 集合的な規範形成が、西欧社会と米国などを中心とした有志国に限定され、それ以外の国家やアクターなどが周辺化される傾向は、国際社会の秩序変動期に見られる現象である。ただしこの後、国際構造が二分化されるかどうかは、既存の規範のプラットフォーム以外の場に議論が発展するかどうかに左右される。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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