2017 Fiscal Year Annual Research Report
Sustainability of Normative Power Europe
Project/Area Number |
17H02497
|
Research Institution | Niigata University of International and Information Studies |
Principal Investigator |
臼井 陽一郎 新潟国際情報大学, 国際学部, 教授 (90267451)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 晶子 東海大学, 教養学部, 准教授 (00645179)
小松崎 利明 聖学院大学, 政治経済学部, 助教 (00777667)
武田 健 東海大学, 政治経済学部, 講師 (10704869)
松尾 秀哉 北海学園大学, 法学部, 教授 (50453452)
小林 正英 尚美学園大学, 総合政策学部, 准教授(移行) (60364874)
東野 篤子 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (60405488)
福海 さやか 立命館大学, 国際関係学部, 准教授 (70524081)
市川 顕 関西学院大学, 付置研究所, 准教授 (80644864)
吉沢 晃 早稲田大学, 地域・地域間研究機構, 次席研究員(研究院講師) (90743857)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | EU / 規範パワー / マルチラテラリズム / 人権 / デモクラシー / 国際規範 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)先行研究のレビューを進めるとともに、海外学会(英国EU学会など)に参加、さらにブリュッセルなどヨーロッパ諸国で実務者および海外研究者にアクセス、インタビューを実施するなかで、本研究課題に関わる研究状況をサーベイし、<EUの規範パワーの持続性>という研究テーマの意義およびアクチュアリティについて再確認できた。規範パワー論はEU政治研究においていまだ<終わった>研究課題ではなかった。(2)研究会を3回実施(関学大・東海大・新潟国際情報大)、理論枠組と役割分担の微調整を行った。また4名の研究協力者に参加してもらい、理論枠組と実証事例の整合性について批判的視点を加えてもらった。この一連の研究会の結果、規範パワーたろうとする加盟国首脳の政治意思と、EUの対外関係にみられる4つの制度的特徴(マルチアクターシップ・シンクロナイゼーション・リーガライゼーション・メインストリーミング)の関係性をどう理論的に突き詰めていくかについて、メンバー間に意見の不一致があることが分かり、今後の理論的討究の課題が浮き彫りとなった。それは大きくは、合理主義アプローチに依拠した因果関係として仮説化していくべきか、それとも構成主義アプローチに依拠した構造化プロセスの把握を目指していくべきなのか、という二つのアプローチの対抗関係であり、次年度の研究会で詰めていくべき課題となった。
なお4年後の研究成果発表のため、メンバーそれぞれの研究課題を仮題として章立てを作り、出版社を決め、出版へ向けた交渉に入った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一年目に当初予定した作業はほぼ完了した。理論的課題を確認し事例分担を調整する研究会を実施(予定では2回のところ、3回実施できた)、海外連携者とコンタクトを取り本研究課題の意義についてコメントをもらい、海外の学会に出席、関連研究状況について確認し、関連研究文献を購入、過去2、3年ほどに出版された学術書の内容を見定めつつ、本研究課題の意義とオリジナリティについて認識を固めることができた。なお、適宜研究活動を公表するためにWebサイトも設置した。URLは次の通り。<https://sites.google.com/view/npe2017/>
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り進めていく。2018年度は引き続き、先行研究の網羅的なレビューを通じた仮説の洗練化・既存の統合理論との接合と、政策文書、政治アクタースピーチ、実務者インタビューの分析(上記指標利用)を進め、研究会を最低でも2回開催し、メンバー間で知見を共有、ピアレビューの形で相互に批判的に認識を深めていく。またBrexit交渉が最終局面を迎えているので、本研究課題の研究作業分担に再調整が必要となる事態が発生していくかどうか、注視していく。そのため本年度は英国で開催される海外学会に参加、本研究課題に関連したパネルにも出て、動向をつかんでおきたい。加えて、PESCOの進展が著しいので、事例研究に付け加えていくべきか検討する必要が出てきている。そこで(当初は予定していなかったが)PESCOの動向把握にも時間を割いていきたい。
|
Research Products
(20 results)