2017 Fiscal Year Annual Research Report
New Theory and Experiment of Coalition formation and Payoff Allocation in Cooperative Game
Project/Area Number |
17H02503
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
船木 由喜彦 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (50181433)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
肥前 洋一 高知工科大学, 経済・マネジメント学群, 教授 (10344459)
竹内 あい 立命館大学, 経済学部, 准教授 (10453979)
Veszteg Robert 早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (30597753)
上條 良夫 高知工科大学, 経済・マネジメント学群, 教授 (40453972)
近郷 匠 福岡大学, 経済学部, 教授 (70579664)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 協力ゲーム / 実験経済学 / 提携形成 / 利得分配 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の研究課題は(1)提携形成と(2)利得分配に分かれるが、(1)の理論的研究については、従来の全体提携が常に形成されるという前提を取り除き、プレイヤーの間の交渉により、どのような提携構造が定まるかを考察する。さらに、(2)についても、その提携構造において、プレイヤー間の交渉により定まる利得分配を理論的に考察する。このとき、その研究における大きな特徴は、他の提携を形成した際に生ずる利得分配の予測の多様性である。その点を考慮に入れた新しいモデル構築が本研究の特色である。実験研究においては、(1)と(2)の問題を実験参加者の行動により分析する実験計画を構築し、同時並行で、研究を進めている。 2018年度は、2017年度の終わりに発見された新理論に基づき、定まったデザインの下での(1)と(2)の実験を多数行った。現在その結果から、人々の行動パターンを抽出する分析を進めている。多くの実験結果から、人々のコミュケーション可能性の存在が協力の形成に重要であることが観察された。これは従来の理論的見解を裏付ける物である。そこで、どのような情報、コミュニケーションが重要であるかを特定するような実験の枠組みを考察して、新たな実験計画を立て、実験を実施した。現在、その結果の分析中である。 このほか(1)と(2)の課題について、実験班が合同して、より基礎的な枠組みでの2人協力実験を考案し、多数の実験を実施した。この結果も、現在分析中である。 理論的な展開では、協力ゲームの代表的な解であるシャープレイ値の新理論に基づく新しい公理的特徴付けに成功し、その研究成果が査読付き国際学術誌への掲載が決定された。それと同時に、新たな展開が発見され、その研究も進んでいる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2017年度の新理論発見による遅れを取り戻すべく、研究に励んだ結果、下記のような大きな進展をすることができた。 理論研究については、新理論に基づく協力ゲームの新しい理論研究が進展し、その研究についての論文を出版することができた。この研究は、さらに発展の可能性があり、理論班において研究を継続している。 実験研究については、まず、新理論に基づく実験の成果についていくつかの大学のセミナーや学会で報告をし意見を頂いた。また、提携形成実験班・利得分配実験班のメンバーが合同して、新しい実験計画が完成し、協力してパイロット実験を行うことができた。このように、2018年度に実施した実験の成果については、様々な分野の研究者から興味を持たれ、多くのワークショップに招聘され、また、国際学会でも報告を行った。なお、このテーマについて、招聘講演者としても報告を行った。 (1)と(2)の実験班が協力した新しい枠組みでの2人交渉実験についても、研究計画がまとまり、パイロット実験ならびに、本実験を実施することができた。現在、実験データを分析中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、研究代表者が在外研究期間となるが、その間に、オランダ、ドイツ、韓国の海外の研究協力者との理論的共同研究を進める。なお、理論班研究者とも、スカイプなどを通じて随時連絡を取る。また、実験については、2つの実験班メンバーとスカイプなどを通じて議論を継続し、早稲田大学で行う大規模実験実施時には、日本に一時帰国する予定である。実験班のメンバーの一人Veszteg教授は在外研究でバルセロナに滞在中であるが、研究代表者はバルセロナに訪問し、研究の進展について議論を行う予定である。このようにして、実験研究も継続する。
|
Research Products
(6 results)