2017 Fiscal Year Annual Research Report
統合的経済倫理学に基づくポスト福祉国家レジームの構築:多元的秩序構想の実践的展開
Project/Area Number |
17H02505
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
永合 位行 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (40218037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 寿来 名古屋学院大学, 現代社会学部, 准教授 (10379505)
加藤 善昌 姫路獨協大学, 人間社会学群, 講師 (20782387)
佐々木 亘 鹿児島純心女子短期大学, その他部局等, 教授 (40211940)
鈴木 純 神戸大学, 経済学研究科, 准教授 (40283858)
小林 甲一 名古屋学院大学, 現代社会学部, 教授 (60195774)
豊山 宗洋 大阪商業大学, 経済学部, 教授 (80268292)
高倉 博樹 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (80334952)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 経済倫理学 / 福祉国家 / 多元的秩序 / コミュニティ / 社会保障 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、経済を含む生活諸領域全体を総合的・体系的にとらえる統合的経済倫理学を基盤として、ポスト福祉国家レジーム構築のための実践的で具体的な秩序構想を展開することである。本研究では、市場、非営利セクター、国家の各レベルにおいて具象化してきているレジーム転換の現実の動きに焦点をあわせ、それぞれの動向を理論的・実証的に把握することによって、レジーム転換のための諸課題の解明、ならびに労働、地域コミュニティ、福祉、介護、貧困等の現代的諸課題を克服するための具体的な政策提言へとつながる実践的な多元的秩序構想の構築を進めている。 研究期間の初年度である本年度は、各研究分担者は、おもに三元的秩序に基づく枠組みのもとで、それぞれの基礎的研究を進展させた。統合的経済倫理学に基づく多元的秩序構想において基本となるのは、福祉国家レジームの下での市場と国家あるいは自助と公助の二元的秩序ではなく、それらに営利部門でも公的部門でもない非営利セクター(サード・セクター)を組み込んだ三元的秩序である。本研究では、それら3つの領域それぞれにおいてすでにポスト福祉国家レジームへの転換への動きが始まっているとの基本認識の下、それらの動きを的確に把握するための理論的・実証的分析を行うとともに、そこでなされる分析に統一性・体系性が担保されるように、統合的経済倫理学の基本枠組みの構築を行った。 具体的には、労働市場、社会保障、企業倫理、福祉コミュニティ、セルフヘルプグループ、NPO、正義論といった研究対象に対して、それぞれに統合的経済倫理学の観点から理論的・実証的な研究を進めた。同時に、研究代表者と全研究分担者は複数回の研究会・研究打合せ会を実施し、それらの研究成果を統合的経済倫理学の枠組みへとフィード・バックさせ、具体的な多元的秩序構想の構築へとつなげる体制を構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各個別研究パートの研究は計画に沿って進展しており、それぞれの研究成果は論文、あるいは学会報告として発表されている。
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Strategy for Future Research Activity |
引きつづき、それぞれの研究パートにおいて、統合的経済倫理学に基づく多元的秩序構想の具体化に関わる研究を進める。
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