2018 Fiscal Year Annual Research Report
統合的経済倫理学に基づくポスト福祉国家レジームの構築:多元的秩序構想の実践的展開
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17H02505
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
永合 位行 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (40218037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 寿来 名古屋学院大学, 現代社会学部, 准教授 (10379505)
加藤 善昌 姫路獨協大学, 人間社会学群, 准教授 (20782387)
佐々木 亘 鹿児島純心女子短期大学, その他部局等, 教授 (40211940)
鈴木 純 神戸大学, 経済学研究科, 准教授 (40283858)
小林 甲一 名古屋学院大学, 現代社会学部, 教授 (60195774)
豊山 宗洋 大阪商業大学, 経済学部, 教授 (80268292)
高倉 博樹 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (80334952)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 経済倫理学 / 福祉国家 / 多元的秩序 / コミュニティ / 社会保障 |
Outline of Annual Research Achievements |
われわれは、労働市場、社会保障、企業倫理、福祉コミュニティ、セルフヘルプグループ、NPO、正義論といった研究対象に対して、それぞれに統合的経済倫理学の観点から、ポスト福祉国家レジームとしての多元的秩序構想に関して、理論的・実証的な研究を進めた。以下に、具体的な研究成果を挙げる。 経済倫理に関わる現代社会の諸問題について体系化をはかった。また、ポスト福祉国家における所得保障政策のあり方を考えるために、M.Opielkaの保障主義の構想を中心とした研究を行った。/ 介護産業に従事する労働者と、企業と社会の関係性について、実証研究とサーベイ研究を行った。そして、これらをもとに論文作成と学会報告を行った。/ 1990年代の生協産直事業を素材として,「消費者」と「生産者」という,潜在的には利害の相反する主体間における協同構築の可能性とその課題を検討する研究を行った。/ 社会保障の制度改革について,ドイツとチェコを対象に比較体制的な考察を行うとともにわが国における医療提供体制の再構築と社会的企業の支援に対する調査研究を行った。/ アマルティア・センとマーサ・ヌスバウムのケイパビリティ・アプローチにおけるアクィナス自然法論の可能性を探る一方,カンタベリーのアンセルムスとアクィナスの正義論について研究を行った。/ 在独日本人高齢者支援組織について現地調査を行い、その機能と介護保険との関係性について研究した。また地域コミュニティと社会システム、および秩序構想に関する資料収集をドイツで行った。/ 非営利組織がどのような社会ネットワークと関係を持っているかについて、調査研究を行った。 それらの各研究と同時に、研究代表者と全研究分担者は複数回の研究会・研究打合せ会を実施し、それらの研究成果を統合的経済倫理学の枠組みへとフィード・バックさせ、具体的な多元的秩序構想の構築へとつなげる体制を構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各個別研究パートの研究は計画に沿って進展しており、それぞれの研究成果は論文、書籍、あるいは学会報告として発表されている。
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Strategy for Future Research Activity |
引きつづき、それぞれの研究パートにおいて、統合的経済倫理学に基づく多元的秩序構想の具体化に関わる研究を進める。
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