2018 Fiscal Year Annual Research Report
Worldwide urban network system in low-carbon society with agglomeration economies
Project/Area Number |
17H02519
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田渕 隆俊 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (70133014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 孝明 東京大学, 空間情報科学研究センター, 教授 (30262091)
佐藤 泰裕 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (30332703)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 空間経済学 |
Outline of Annual Research Achievements |
A. 環境汚染に着目した都市システムの経済厚生分析: 地域間人口移動と地域の効用水準の関係に着目し、新経済地理学の理論の検証を行うことによって、わが国の地域経済システムの実態を明らかにし、地域の経済厚生に関して何らかの政策的含意を得た。また、経済活動が世界都市へ集積することが、むしろ低炭素社会を実現させることが明らかになった。 B. 知識創造による都市の発展と衰退のメカニズムの解明: 情報通信技術や交通輸送技術の発展が経済活動の空間分布にいかなる影響を与えるかについて、複数地域に拡張した空間経済の一般均衡理論の枠組で研究を進めた。IT産業のように地理的距離に依存しない産業やサービス産業のように地理的距離に依存する産業において、企業立地はどう変化するか分析しているところであり、社会厚生分析を行っているところである。 C. 空間経済理論の再構築と他分野への応用: 東京大都市圏の住宅価格のデータを用いることによって、所得の異なる階層が大都市内部にどのように分布し、その結果どのような社会経済問題を生じさせるかについて分析を行った。その結果、異なる所得階層が都市内部に混在していることがあきらかになった。都市経済学の理論を拡張することによって、なぜ異なる所得階層が混在するかを説明した。また、都市内に外国人がどのように分布し、その結果どのような社会経済問題を生じさせるかについてのデータ分析を行った。さらに、企業の異質性に着目したモデル化を行ったり、均衡条件の解析を行ったりすることによって、新経済地理学の理論を再構築しつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
この一年間のあいだに、本プロジェクトに密接に関連した学術論文を公表し、それらを海外の国際会議や国内の学会、研究会で報告し、多角的な議論を重ねた。また、研究分担者と頻繁に研究情報の交換を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
B. 知識創造による都市の発展と衰退のメカニズムの解明 引き続き、情報通信技術や交通輸送技術の発展が経済活動の空間分布にいかなる影響を与えるかについて、複数地域に拡張した空間経済の一般均衡理論の枠組で研究を遂行する。さまざまな産業について企業立地はどのように変化するか分析し、社会厚生分析を行うことによって、政策的含意を得たい。 C. 空間経済理論の再構築と他分野への応用 所得の異なる階層が大都市内部になぜ広い範囲で混在するかについて、より確かな理論を確立した。大都市内における外国人の空間分布に関してデータ分析を行ったが、それを踏まえて理論化を試みたい。引き続き、企業の異質性に着目したモデル化を行ったり、均衡条件の解析を行ったりすることによって、新経済地理学の理論を再構築したい。
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Research Products
(10 results)