2018 Fiscal Year Annual Research Report
介護保険制度の政策評価-レセプトデータによる介護サービスの効果・効率性の分析-
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17H02540
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中村 二朗 日本大学, 総合科学研究所, 教授 (30127112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 安彦 日本大学, 経済学部, 教授 (00277485)
菅原 慎矢 東京理科大学, 経営学部ビジネスエコノミクス学科, 講師 (30711379)
宮澤 健介 九州大学, 経済学研究院, 准教授 (80609826) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 介護保険 / レセプトデータ |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は、介護施設の効率性について一年目と同様にドイツとの国際比較など様々な視点から分析を行った。わが国については介護施設の効率性が介護従事者の供給不足によって大きく阻害されていることが考えられる。そこで、介護従事者として外国人労働者を活用することのメリット・デメリットについてEPA(二国間経済連携協定)による介護福祉士候補者の導入について分析を行った。インドネシア、フイリッピン、ベトナムからの受入れ候補者では介護福祉士の国家試験の合格率が大きく異なっている。これらの原因について、介護事業所内での人材育成のための枠組みの整備の程度や介護施設の相違などによる効果などについて実証的な分析を行った。 また、要介護者の増加により今後一層の施設利用の必要性が高まることが予想される。介護施設全体についての動向を把握すると伴に、各介護サービスがどのように連携してきているのか、その結果、各施設の効率性がどのように変化していったのか分析することが急務である。そこで、介護施設(特に特別養護老人ホーム)について国際比較をすることなどにより、日本の施設の効率性について分析を行った。 また、これまでの研究から介護施設に関する既存のデータベースからだけでは詳細な分析を行うことができないことが確認できたため厳密な統計作業を行うことができるような新たなデータベースを作成することとした。現在、このデータベースは作成中であり、最終年度の研究において利用する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は、3年計画の2年目であるが研究計画全体としては予定した範囲内で順調に推進している。 特にEPA外国人介護従事者に関するデータベースは、ほぼ完成し「EPA介護福祉士にみる外国人労働者の受入れ体制と人材育成」(中村二朗と菅原慎矢の共著)において既に利用されている。上記論文は既に投稿中であるが、データベースをさらに完全なものにすると共に、より詳細な分析を行っている状況である。 介護施設の効率性の分析に関しては既にある程度の分析を行っているが、体系的なデータベースが存在していないのが現状である。昨年度は、厚生労働省から提供された『介護サービス施設・事業所調査』や民間(国際航業株式会社)の介護サービス事業所データベースをリンクさせるだけでなく、足りない情報については各介護施設のホームベージを参照することにより、介護施設の動向や効率性について分析可能となるようなデータベースの構築を試みた。現在作業は順調に進んでおり、構築されたデータベースを用いてさらに厳密な分施を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
それぞれの分析作業において、想定内の進捗状況であり、本年度も当初の予定通りに研究を推進する。 今後は、作成された二つのデータベース(EPA介護福祉士候補者受入れデータベースと介護サービス施設に関するデータベース)をより精緻化するとともに、両者をマージすることにより、EPA介護福祉士候補者の人材育成および介護サービス施設の効率性に関する研究について、より精緻化した分析を行う予定である。また、最終年度ということもあり、他に予定された分析についても計画通り推進する。
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Research Products
(3 results)