2019 Fiscal Year Annual Research Report
Frontiers of Development Finance History: Theory and Policy of the World Bank
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17H02556
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
矢後 和彦 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (30242134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 カンナ 名古屋大学, 経済学研究科, 准教授 (30334999)
西川 輝 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 准教授 (30622633)
浅井 良夫 成城大学, 経済学部, 名誉教授 (40101620)
石坂 綾子 愛知淑徳大学, ビジネス学部, 教授 (40329834)
須藤 功 明治大学, 政治経済学部, 専任教授 (90179284)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 世界銀行 / 開発金融 / 国際資本移動 / 国際収支調整 / 貿易金融 / 経済協力開発機構 / 国際金融史 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間の最終年度である2019年度においては、成果とりまとめに向けて、研究の総括に注力した。 ①1950-60年代における国際資本移動の実態について、前年度に獲得したDAC資料などを基礎に見通しを得た。1960年代には「開発」と並んで「援助」の主題が国連、世銀、OECDあるいはアジア・アフリカの諸地域で展開される。世銀はマクナマラ総裁による機構改革を経て「開発援助」に傾斜してゆき、国連との友好関係を築きつつ、OECDの開発援助委員会(DAC)とは微妙な関係に立つようになったことが明らかになった。 ②1960年代以降の国際資本移動と開発金融の関係について、主としてアメリカの側から検討を行った。アメリカが経常収支黒字国であった戦後過渡期において、国際収支はアメリカの開発援助/融資の制約にはならなかった。これに対し1950年代後半になると、援助の拡大路線とは裏腹に主要国のドル不足が解消しアメリカの国際収支は悪化し始めた。こうしたなかアメリカは、IDAやDAGの創設およびIMF増資など国際機構における開発援助/融資体制の構築に着手した。そして1960年代に入りドル危機への対応が焦眉の課題として浮上するに及び、援助負担の分担論が国際協調の各所で登場することになった。 ③同時代の国際通貨理論・国際通貨システム構想についてニクソン大統領文書等をもとに展開した。短期的な国際収支不均衡への対応は本来IMFの任務であるにもかかわらず、世銀はしばしば国際収支調整のための融資を行った。また、1950年代前半から、輸出国の貿易促進のための政策金融と輸入国の開発が関連するようになった。さらに1959-60年に起きた「ドル危機」(アメリカの国際収支問題)が世銀の対先進国借款を終焉させることになる。 なお上記に係る研究成果を内外の学会誌・学会報告で発表した。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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