2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17H02573
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
勝又 壮太郎 大阪大学, 経済学研究科, 准教授 (80613588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 誠 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (70302677)
ウィラワン ドニ・ダハナ 大阪大学, 経済学研究科, 教授 (90432426)
西本 章宏 関西学院大学, 商学部, 准教授 (10613185)
一小路 武安 東北大学, 経済学研究科, 准教授 (80636390)
秋池 篤 東北学院大学, 経営学部, 准教授 (90758864)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | マーケティング / イノベーション / 市場創造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、企業・消費者・社会が関わる「市場」について、その創造から成長、成熟の過程に着目し、成長に伴って変化する企業行動、消費者の状態、社会的認知の変容を検証することを目的としている。本研究では、とくに、複数の分野で半ば独立に進められている研究成果について、異なる分野を専門とする研究分担者間で複眼的に検討し、統合的な理論的枠組みを整備していくことを目指している。 令和元年度は、消費者個人の行動を分析するミクロ視点の研究から、市場全体あるいは関係する他市場を含めたマクロ視点の研究まで、多くの研究が国内外の主要な学会・雑誌で発信されている。いずれの研究も市場の動態に対して新しい示唆をもたらす成果である。とくに令和元年度は、オンライン上の消費者行動データやクチコミデータなどの新しいデータセットと、購買履歴・市場シェア・広告出稿履歴などのこれまでも広く使われてきたデータの両方を組み合わせて分析に用いることで、市場と消費者の関係をより深く検討することに成功した研究が多く発信されている。また、令和元年度以前に出版された研究について、学会で高い評価を得た論文や、これまでの複数の成果がまとめられた書籍が出版されるなど、本研究プロジェクトの継続的な研究活動による成果も現れている。 また、これまでに引き続き、研究分担者間で共同研究が積極的に行われ、共同で成果を発信している。さらに、令和元年度は、研究分担者間だけの共同研究だけでなく、国際的な共同研究も進んでおり、令和2年度も共同研究を進め、複数の研究から得られた成果を共有し、研究プロジェクトを統合していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの進捗状況としては、おおむね順調に推移していると評価できる。令和元年度にも研究そのものは順調に推移している。令和元年度末に予定していた研究進捗を共有するための集会は新型コロナウィルスの感染拡大の影響もあり、遠距離の研究分担者は参加することができなかったが、オンライン上でのコミュニケーションを取り、研究分担者間での情報共有について大きな問題はない。本研究プロジェクトでは、研究分担者の本務校が各地に点在するため、初年度からオンラインでデータや成果を共有できる体制を取っており、遠距離の出張が自粛される状態であっても研究に大きな影響はなかったといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究分担者は地理的に分散した研究機関に所属しているが、複数の分担者が所属する学会大会や個別の研究打ち合わせ等の機会を活用して情報交換を図り、定期的な進捗確認を行っているため、研究分担者間の連携について問題はない。ただし、現在までの進捗状況で述べたように、令和元年度末の研究集会は限られた人数での開催となったが、各自の進捗と成果は共有されている。 研究計画について、令和2年度は、令和元年度までに遂行した研究を進めながらも、最終年度としてこれらの成果を統合していく。得られた結果を実務に活用するための方策や、国際展開についても議論を進めていく。まず、これまでに行った研究の統合と完成についてであるが、令和元年度までに消費者行動観点からのアプローチと企業行動観点からのアプローチという2つの大きな研究課題群を統合し、各研究分担者の専門分野を活かして研究発表を続けてきた。これに加えて令和2年度は、得られた成果を国際展開するための枠組みを検討してく。海外の研究者と積極的に連携し、これまでに蓄積した研究をもとに共同研究を展開していくことで、令和2年度で完成される研究の今後の展開についても検討していきたい。 また、令和元年度に続き、令和2年度も消費者調査を実施する。過年度の調査と同じく、令和2年度も調査を行うことで不足する情報を獲得し、経年的に実施していくことで消費者態度の変化を追っていくことができると考えられる。市場調査は研究期間を通じて継続していく計画である。このような継続的な調査を行っていくことで、消費者態度から見た市場の動的な変化を検討することができる。 ただし、世界的な新型コロナウィルスの感染拡大によって、海外への発信と研究者間でのコミュニケーションについては不確実な面もある。そのため、常に新しい情報を確認し、必要があれば機動的に研究方法を再検討していく。
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