2018 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17H02576
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
井上 崇通 明治大学, 商学部, 専任教授 (70281566)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 一夫 明治大学, 商学部, 専任教授 (00341280)
村松 潤一 岡山理科大学, 経営学部, 教授 (30182132)
庄司 真人 高千穂大学, 商学部, 教授 (50317658)
田口 尚史 茨城キリスト教大学, 経営学部, 准教授 (60530045)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | マーケティング / 価値共創 / サービス / エンゲージメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究プロジェクトは、能動的な価値共創としての顧客エンゲージメントの理論的・実証的解明である。2年目は、分析枠組みの検討を行うため、顧客エンゲージメントの価値共創における影響について理論的な考察を行った。 第一に顧客エンゲージメントの研究類型について分析を行った。一つはサービス・ドミナント・ロジックをベースにした研究類型であり、主に北欧の研究グループが行っている。もう一つが顧客リレーションシップを前提にした研究類型である。現行の研究では、この両者のリサーチ成果を統合するメタ分析が行われている状況にある。そこで研究グループではこの両者を時系列につなげるモデルの検討を行っている。 もう一つは、顧客エンゲージメントのマーケティング理論に果たす貢献について検討している。特に従来の顧客概念を超えたアクター概念の導入が求められるようになっており、アクターエンゲージメントと顧客エンゲージメントとの相違について考察を行った。特にアクターエンゲージメントは既存研究においては、価値共創の分析単位として認識されている状況にある。しかし、本研究においては、特にマーケティングの領域でエンゲージメントを行うアクターが完全には把握できない状況にあると指摘した。既存の従業員エンゲージメントやシビックエンゲージメントの研究領域とは異なり、マーケティングの場合は、エンゲージメントの広がりを特定することは難しく、アクター間のどのような影響があるのか特定し、明確にすることよりもそれらがより複雑に関連していることを明らかにする必要性があると判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
顧客エンゲージメントの概念枠組みが理論的に分断しており、アンケート調査の結果が信頼できるような分析枠組みを引き続き検討する必要が出てきたため。
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Strategy for Future Research Activity |
顧客エンゲージメントの構造的な分析を継続的に実施していくことになる。特に価値共創の視点ではサービス・ドミナント・ロジックおよびサービス・エコシステムの研究の進展が必要であるため、これらの研究業績を踏まえて検討する。また、顧客エンゲージメントの影響を考察するために、その構造に関する調査の実施を予定している。
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Research Products
(27 results)